求人では “誇れるエピソード” を語れ。共感型採用で人を惹きつける。
先日、社員さんの急な退職を受けた支援先企業から、採用に関する相談を受けたのですが、その時にお伝えした内容が多くの企業にも参考になると思い、今日のブログで共有したいと思います。
その企業は、働きがい溢れる職場にしようと奮闘をしており、徐々にその文化が芽生え始めています。
社長は、そのための重要要件として採用を位置づけています。
これは大正解で、そもそも働きがいを求める人を採用しないと、働きがいのある職場をつくることは困難です。
人が職を求める際には「待遇」と「働きがい」2つの動機があります。
両方大切なのですが、あまりに待遇に偏った人を採用すると、お金にならない事をやりたがらなかったり、できるだけ楽をして賃金をもらうのが合理的と考える人もいたりで、リーダーは苦労することになります。
対し、働きがいを重視する人は、仕事の行為そのものに価値を置き、仕事を極めたいという「マスタリー」の欲求を持っているので、何も言わなくても自発的に行動します。
お金をぶら下げないと動かない人と、勝手にヤル気になる人と、どちらが欲しいか?と問われれば迷う余地はありませんが、では、後者が集まる求人をしている企業がどのくらいあるでしょうか。
求人広告を見ると、ほとんどの企業が賃金や休日などの待遇ばかりが書かれていますからね。
これでは優秀な人材を確保することは難しいと思います。
旧約聖書に「人はパンのみにて生きるにあらず」という一説が出てきますが、いよいよその傾向が加速しています。
米国のデトロイト社が、世界29カ国のミレニアル世代に行った調査では、就職先の選択で重視する項目として、賃金よりも「企業が掲げるミッション」を挙げる人が6割にのぼりました。
しかし、多くの企業が相変わらずの求人をするため、マッチング不全が起きています。
さて、件の企業に提案した方法を紹介したいと思います。
考え方はシンプルで、下の図解に当てはめて求人メッセージをつくるだけです。
件の企業では、急に機械が故障した製造業の企業を対象に、即座で部品をつくる「特急仕事」で付加価値を作り出しています。
その有り難さは「旅行先で車が故障した際のJAF」と言えばお分かりいただけるでしょうか。
当然、仕事は大変ですが、顧客から「助かりました」と言われた瞬間に、すべての苦労が報われると言います。
求人広告では、過去に経験した「これからも、こんな仕事をしたい」と思える”誇れる仕事”をピックアップし、それを分かりやすいレイアウトで伝えるのです。
この手法はどんな職種にも応用することが可能です。
困っている人を対象にしていない職種の場合「Before」は省けば良いですし、BeforeとAfterとの間の「かかった時間」を強調する必要がなければパスしてOKです。
要点は、顧客の笑顔の裏にある、社員の奮闘と誇りをリアルに描けるかどうかです。
採用は「仲間集め」だからこそ、待遇だけでなく“想い”を伝えることが大切です。
中小企業にとって、社員の急な離職は痛い出来事ですが、これをマスターすれば、離職を組織成長のチャンスに変えることができるのです。
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