採用は、自分がやりたくない事をやってくれる人を探す活動である

人によって得手不得手は違います。

と、言葉にすると当然のことだと思いますが、人は自分を中心に物事を考えるのでついそのことを忘れてしまいます。
自分が得意だとみんなも同じだと思ってしまいます。
で、「何でできないの?」と苛つくことがあります。
その逆…自分が苦手なことはみんなも苦手だと思ってしまう。

そこに、人事と人材育成の罠が隠されていると考えています。
特に採用です。

自分がやりたくない仕事をしてくれる人を探すという真意

僕が社長に就任した当初、尊敬する方から面白いことを言われました。
「採用は自分がやりたくない仕事をしてくれる人を探すことだ」と。
なんて酷い人だと思いました。
でも、その後その意味が分かるようになりました。
やりたくない仕事とは自分が苦手な仕事です。

例えば、僕は昔からエクセルの作業が苦手でした。
論理的な思考が不得意なのです。
で、みんなもそうだと思っていました。
だから当時いた事務員さんにエクセルデータを作って欲しいとお願いする時は、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
「申し訳ないんだけど…」が枕言葉でした。

ところがその事務員さんは嫌な顔1つせず「承知しました」と言う。
なんて人間のできた方なんだと思いました。
ところがそうではなかったのです。
勿論、人間的に素晴らしい方なのですが、そもそもエクセルの作業が得意だったのです。
得意なことだから楽しい。
だから僕の依頼を快く引き受けてくれたのだと思います。

その時に尊敬する方が言ったことを理解しました。
人によって得手不得手は違う。
よって好き嫌いも違うということです。

そして、組織はそれを得意とする人の集合体になった時に強くなります。
だから採用は自分がしたくない仕事をしてくれる人を探すのだと。

得意なことは自ら名乗り出るようになる

それからというもの、採用の面接時にはそのことを伝えるようにしました。
「僕がやりたくないことをしてもらうために…」なんて表現はしないけどね(笑)
そうすると、とても良いことが起きました。
責任を持って仕事に取り組んでくれるのです。
僕がそれを苦手だと知っているので、変に頼られることがなくなりました。
最初から諦めているということ。
勿論、特別に忙しい時は別ですがね。

僕がこの事実に気づいてから指示ゼロ経営(自律型組織)も加速しました。
社員さんは自分の得意を活かすようになると仕事が楽しくなります。
できれば苦手な仕事はしたくありません。
でも、社長、上司が個々の得手不得手を全部把握しているわけではありませんよね。
だから、苦手な仕事をお願いしてしまうこともある。
それならばと、振られる前に自分から名乗り出る人が出たのです。
「あ、それ私がやりますよ」と。

労せず自らの意思で仕事に取り組む人が増えたわけです。

僕が痛感したことは、組織づくりは「組み合わせの妙」だということです。
それまでは1人1人の能力を最大限に伸ばすことを考えていました。
短所を克服するなんてことも真剣に考えた時期がありました。

でも、今はそんなことは微塵も思っていません。
組み合わせで「チームとして」強くなれば良いと考えているのです。
そしてこの妙は採用から始まるのだと。

「僕がやりたくないことを…」なんて言うと上から目線ですが、そのくらいの表現が分かりやすいと思い紹介しました。
真意は相手をパートナーとして尊重しコラボするという意味です。

そんな関係ができたら仕事が愉しくなるしチームも強くなりますね。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

The following two tabs change content below.
米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket