硬直化した組織を「挑戦する組織」に変える3つのステップ

社内には「変えたい」と願う人よりも現状維持を好む人の方が多いです。
「従来の発想にとらわれず…」なんて言っている人ほど、イザとなると「我々の業界はこういうもんだ」と変化を拒みますよね?
統計的に見ても、集団の中で変革を好むのは1割程度と言われています。

社長は時代の変化に対応できる「変われる組織にしたい」という望みを持っています。
でも、なかなか変われない。

今日は、変革の波を起こす要点について考えたいと思います。

過去の成功体験にしがみつく「もんだ族」

先日、「もんだ族」という言葉を知りました。
「こういうもんだ」が口癖の人たちって意味です。
「ウチの業界はこういうもんだ」「昔からこういうもんだ」ってすぐに言う人です。
いるよね〜
でもね、それはムリもないことだと思うんです。
今があるのは、過去のやり方が正しかったから。
実績に裏打ちされたやり方なのだから問答無用で「こういうもんだ」と言いたくなる気持ちは分かります。

でも、時代の変わり目では過去の成功体験が変革の邪魔をします。
有名な話では、日露戦争の勝利体験が第2次大戦の敗因になった事実があります。
「大きな大砲」で勝利を収めた大日本帝国海軍が、時代が変わったのにも関わらず同じ戦術で戦い敗北を喫したと言われています。

企業において一番厄介なのは「もんだ族」は出世をして重要な意思決定ポジションにいることです。
過去の成功体験がない人…多くは若い人は「やり方が現状に合っているか?」という基準だけで判断しますので、結構、的を射ている指摘をするんだよね。
でも、上に上げると0.5秒で却下(笑)

例えば、僕が所属する新聞業界では10年ほど前にこんな変な話がありました。
「その昔、ラジオが登場した時に『もう新聞は死んだ』と言われたが、結果、そんな事はなかった。さらにテレビが登場した時に『もうラジオも新聞もは死んだ』と言われたが、いまだにラジオも新聞もは健在だ。だからインターネットが登場しても大丈夫だ」

今、新聞業界は苦境に立たされています。
これまで情報はメディアが牛耳っていましたが今は個人が発信して個人が直接、受け取ることができます。
本質的な部分が変わったのです。

「もんだ」を捨てないと未来は危ういと思います。

もんだ族を巻き込み集団に変革のムーブメントを起こす

では、どうすれば良いか?という話ですが、まずは社長が変革の意志を強く持つことが前提になります。
これがないと何も始まらないよね?
社長自らが「もんだ族」の酋長だったら、もうお終いだと思う(笑)

次に、変革を好む少数派で「試作品」をつくることです。
多数派は実績がないと動きません。
だから、小さくても良いから「上手くいくかも」と良い予感を感じる成功事例が必要になるわけです。

で、ここで大切なことは一部の人間…特に若い社員が楽しそうに新しいことに取り組んでいる姿を見た古い「もんだ族」が気分を害することへの対応です。
彼らは力を持っていますから、邪魔をされた日には目も当てられません…
薄々、潜在意識では「このままではヤバイ」と思っているのだけれども、会社が上手くいく事よりも自分のプライドを優先するのが人間ってもんです。

だから「誘う」ことが必要になると考えるのです。
ちょっと、おべっかになりますが、「今、こういうことに取り組んでいるんですが、やっぱ変革にはベテランの◯◯さんの力が必要だと思うんです」って。
こう言われたら気分が良いよね。
「しょうがないな〜どれどれ」となりやすい。
「もんだ」が言いづらい(笑)

で、実際に加わってもらうと、彼らには権限もあるし人脈もあるから、すごく良い仕事をしてくれます。

大企業に務める僕の友人はこの天才です。
女性なんですが、将来、スナックでも経営したら大成功するんじゃないかと思いますが、上司を上手に巻き込みます。
本当に賢いフィクサーだと思う。

全体のパワーバランスを観ながら、徐々に仲間を増やしていく…その割合が2割程度を超えたら勢いは増す一方になるのが集団のメカニズムです。

少々、時間がかかるのが難点ですが、この方法しか硬直化した集団を「挑戦する集団」に変えるリスクの少ない方法はないと考えています。

「社長の変革への強い意志」
「少数派の行動」
「誘い巻き込む」

気がつけば「もんだ族」が「変革とはこうやるもんだ」なんて言い出すかもしれませんね(笑)
それでは今日も素敵な1日を!

 

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