「リーダーシップ=リーダーの能力」という誤解
先日、NHKのクローズアップ現代で、「社員の77%が管理職を望まない」という衝撃の特集が放映されました。管理職を忌避する理由は「自分の仕事を持ちながら部下の面倒を見るなんて”罰ゲーム”だ」ということです。
仕事の段取りを組み立て、率先垂範しながら部下を指導し、指導が厳しいとパワハラと言われ、チームの結果責任を負わされる。役職手当がついても「残業代込み」なのだから罰ゲームと言われればそうかも知れないですね。
プレッシャーも相当なものです。
特に、日本人は「リーダーさえしっかりしてくれれば」と、リーダーシップに過度の期待を寄せる傾向があります。
しかし、そこにはリーダーシップに対する大きな誤解があります。
多くの人が「リーダーシップは個人の能力」と考えます。
しかし、その常識は間違っており、リーダーシップは「現象」と捉えるのが正解です。
どういうことでしょうか。
それを考える上で、リーダーシップが発揮されている優れた組織を考察してみましょう。
優れた組織には「4つの知能」が集結しています。
すなわち…
1、斬新なアイデアを出す知能
2、アイデアを具現化する実務の知能
3、物事を分析する知能
4、人間関係をつくる知能
人によって持っている知能は異ります。
ちなみに、僕は、1が40%を占め、残りの3つはそれぞれ20%ほどしかありません。
もうお気づきだと思いますが、私たちは、これら4つに長けた人を「リーダーシップがある人」と評価しています。
しかし、僕が知る限り、すべてを備えている人は1人もいません。
優れた組織(リーダーシップが発揮されている組織)とは、それぞれの知能を持った人が活躍している組織で、そういう組織を束ねている人が「リーダーシップがある人」と評価されます。
どうすれば、それぞれの知能を持った人は活躍してくれるのでしょうか。
「ビジョンが明確」「戦略がクリア」など、要件はいくつもありますが、最も大きな要件は「この人と一緒に働きたい」「この人と一緒に成功したい」と思われること…「人間関係」です。
人間関係が変わると、人の解釈も行動もガラリと変わります。
例えば、ハラスメントの問題がそうで、同じ言動でも、その言動をする人によってハラスメントになる場合もあるし、ならない場合もあります。中には、目が合っただけでハラスメントと言われてしまう人もいます。
「部下としっかり関わる」という行為も、嫌いな上司がやれば「管理が細かい」と言われますし、好きな上司なら「しっかり関わってくれる」となります。
リーダーシップも同じで、「この人と一緒に成し遂げたい」と思われた時に、メンバーが自分の才能を惜しみなく提供してくれます。
その状態を見た人は、リーダーに対し「リーダーシップがある人」と評価を下すのです。
こう言うと「やっぱりリーダー次第じゃん」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
関係性とは両者の問題ですので、良い関係性をつくる主体は全員ということになります。
つまり、メンバーにもリーダーシップの責任があるということです。
リーダーに依存する人は、自分の行動を変えずにリーダーのせいにばかりします。
そういう部下がいると、リーダーシップという現象は起こりません。
リーダーシップを高めたければ、リーダーは勿論ですが、メンバーにも自分に出来る「リーダー行動」をしてもらうことが大切です。
例えば、リーダーの発案に対し、「やりましょう!」の第一声を上げたり、仲間を誘ったり、計画づくりで活躍したり、仲間を励ましたり、時にリーダーに苦言を呈したりと、できる事がたくさんあるのです。
リーダーシップを「一緒につくる」という意識がチーム内に共有されると、管理職を希望する人も増えるのではないでしょうか。
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