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僕らが目指すものは「愛される人」になることだと思う

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今日はいつもと趣向を変えた記事を書きたいと思います。
僕が尊敬する小学校教諭、K先生の話です。
きっと、経営者にも社員の立場の方にも、そして子どもを持つ親にも、何か気付きがあると思います。

1枚の模造紙に全員の手形を押して、学級がスタートした

僕がK先生に出会ったのは、今から7年前、娘が5年生と6年生の時の担任でした。
娘のクラスは問題を抱えていました。
4年生の時ってクラス替えがあるでしょ?
新卒の女性教師が赴任したのですが、入学式1週間後、自ら命を絶ってしまったのです。

代わりの先生は現場を何十年も離れた方で、クラスは学級崩壊に陥りました。
そこで5年生の時にK先生が来た。

僕は、たまたまくじ引きで学級PTA会長をやったんです。

先生は、新学期最初の保護者会でこう言いました。

「現実を言うと、皆さんのお子さんは学力的も体力的にも小学3年で止まっている」

ショックを受けました。
そして保護者に訊きました。
「成功の反対語は何ですか?」

答えは失敗ではなく「諦め」です。

「僕もプロだから諦めずに全力を尽くします。だから皆さんにお願いがあります。学校を敵に回しても、担任である僕は敵に回さないでください」

全員で力を合わせる覚悟を求めたのです。

K先生は子どもたちに大人気なのですが、宿題は大量だし運動会前のトレーニングは過酷、とても厳しい先生なのです。
当然、根を上げる子どもも出ます。
だから、親が学校任せではダメなんですね。

さて、K先生による立て直しが始まりました。
まずやったことは「最後の日」の決意表明です。

「人は出会った以上、必ず別れる時が来る」…クラスも永遠ではありませんよね?

「別れる時に、どんな気持ちでいたいか?」…それを子どもたちと話し合いました、徹底的に。
すると、みんなが「別れたくない、もっと一緒にいたい。涙を流して別れたい」と言った。

その思いを、1枚の模造紙に全員の手形を押して、黒板の上に張り出し学級がスタートしました。

ある日突然、茶髪になった先生

5年生には臨海学習というイベントがあります。
ある男子が風邪で欠席しました。

臨海学習の後の授業参観で、K先生は旅の様子を15分ほどの映像にして保護者に見せました。
1人だけ参加できなかった、その子とお母さんは、それを見るのは辛いと思います。

ところが…
映像はまったく予想を超えるものでした。

欠席した男子を中心とした物語だったのです。

臨海学習の様子を伝えながら、みんながその子を思う物語。
映像の最後には「来年の修学旅行は一緒に行こうぜ」というメッセージ。
お母さん、泣いてましたよ。

5年生の終業式の後、クラスで懇親会を行いました。
夜遅くなったので、僕の家に泊まってもらいました。

翌日、お礼に菓子折りを持って来てくれた先生を見て、僕もカミさんも、娘も仰天しました。

なんと、髪の毛がヤンキーもビックリするくらいの茶髪、というかオレンジ色になっていたのです。

「どうしたんですか!?」

「実は、昔の教え子が春から美容師になるって連絡を受けて、その子が『どうしてもK先生の髪の毛を切りたい』と言うんです」

元々髪の毛が短いのでカットではなく染めてもらうことになった。

ジャージ姿の茶髪の中年が学校をウロウロしているのは異様です(笑)
職員室に入り5秒後に校長先生に呼び出されました(笑)

速やかに染めろという命令に、K先生は言いました。

「大切な教え子がやってくれたのだから、入学式までは絶対に染めません。入学式には元に戻します。」

6年生の運動会では、K先生のクラスだけ最後に抱き合って涙を流していました。

そして、卒業式の日…

いつもの見慣れた風景

手形が押された模造紙

出会った時に決意した気持ち

涙でしわくちゃになる子どもたち、保護者…

先生は最後の授業で言いました。

「人を愛することも大切だけど、みんなには『愛される人』になってほしい。今までの努力も、中学に入ってからも、愛される人になるようにがんばって欲しい」

そして最後に…

「以上をもって、加藤学級は終了です」

本当に終わったのだな、そう思いました。

僕は、今でもK先生とお付き合いしていますし、これからもしていきます。
人生の中で、こんなにも素敵な人に出会えることは滅多にないと思います。

先日、K先生のクラスで夢新聞をさせていただきました。
夢新聞が終わり、下校の時間になった時に、ある男の子が黒板に絵を書いていました。

K先生のイラストです。

そのクラスも、もうすぐ卒業。
きっと卒業式の日は、僕が体験した、あの感動の風景が広がると思います。

K先生の話はこれで終わりです。

あなたは何を感じましたか?

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

 

 

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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