「もったいない」は人を育てるキラーワード
以前に、部下に注意を与える時にはタイミングが重要で、相手が注意を受け入れる気持ちになるまで待つことが重要という記事を書いたところ、多くの方から共感の声が寄せられました。
フィードバック上手なリーダーが実践している「3つの待つ」
それだけ、多くのリーダー、マネージャーがネガティブ・フィードバック(注意を与えること)で悩んでいるということだと思います。
今日は、もう少し踏み込んで、フィードバックのコツを考えます。
その要諦は「もったいない」というキラーワードを中心に展開されるコミュニケーションです。
まずは、それを説明する前に、こちらの記事をご覧ください。
人は、どう「決めつけられたか」で育つ
「決めつけ」は良くないこととされていますが、こと人材育成に関しては例外という話です。
人材育成の達人は、非常に肯定的な人間観を持っています。例えば、「人はそもそも善良である」とか「そもそも積極的で自律的」といった人間観をもって、部下と接しているんですよね。
「もったいない」という言葉が出るのは、本来、素晴らしい資質を持っているのに、それを使わないケースです。
さて、ここまではライトな話です。
これを極めた人の中には、もっとヘビーで濃いコミュニケーションを取る人がいます。
昔、物を粗末にするなど、もったいない事をして親に叱られたことがあると思いますが、人材育成の熟達者は、才能を粗末にする部下を叱るのです。
それは私憤ではなく「義憤」です。
同じ叱るでも、食べ物を残した時に「私が買ったものを残しやがって」は私憤ですが、「命を大切にしなさい」は義憤です。
義憤は、厳しいながらも人の心を開く力があります。
僕は、メンターに何度も「才能を粗末にするな」と叱られて育ちました。ある時、飲みながらその真意を聞いた時には本当に心を打たれました。
メンターは、才能を「受け継がれたもの」と解釈していました。それは祖先を含む先人から連綿と受け継がれたものですが、それを起源にまで遡り「天が与えてくれた」と捉えていたのです。
だから、才能を磨かないこと、活かさないことは「天への冒涜」と考えているのです。
義憤を伴うフィードバックは、厳しさを持ちながらも、人の尊厳を傷つけません。
なぜなら、その怒りの源は信頼に基づくものだからです。
才能を、個人の所有物ではなく、受け継がれ、託されたものと捉えてみる。
すると、注意は非難ではなく「信頼」になる。
部下の行動に腹が立ったときこそ、自分は何に怒っているのかを問い直してみてはいかがでしょうか。
それが「もったいない」という言葉に辿り着くなら、そのフィードバックは、きっと人の成長を促すことでしょう。
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