上司の管理よりも「仲間のまなざし」が自律性の高い組織を育てる。

迷惑の防止には「人の目」が効くという研究があり、社会に実装されています。
盗難や、迷惑駐車、はたまた犬のフンの不始末を戒めるメッセージには、文字通り「目」のイラストを入れると効果があることが分かっています。

「目」は赤の他人よりも既知の人の方が効果を発揮します。
「旅の恥はかき捨て」と言いますが、既知の人がいない旅先では、普段しないような恥ずかしい行為ができてしまいます。
一方で、既知の目があると、災害などの非常時でも規律正しい行動しますね。

「目」の効果が注目されたのは「パノプティコン」という形態の刑務所です。
パノプティコンとは、中心部に監視塔があり、その円周上に独房が配置された構造になっています。

パノプティコンでは、囚人は「いつも監視されている」という心理的圧力を受けます。実際には、常時監視しているわけではないのですが、構造上そう感じさせるのです。この効果により、囚人の生活態度は他の刑務所に比べ良くなるそうです。

この事実を踏まえると、物事の意思決定にメンバーが参画する「集団参画型マネジメント」が優れている理由が分かります。

僕は、社内のルールはメンバーみんなで作るようにしてきました。
その理由は、作成に参画することで自分事になると考えたからですが、それと同じくらい「目」の効果があるのです。
リーダーがルールを決めると、自動的にリーダーが統治者になります。すると、メンバーはリーダーの目を気にするようになりますが、リーダーの目は2つしかなく、簡単にかいくぐることができます。
これがみんなで決めた場合、既知の目がたくさんできるため、抑止力が上がるということです。

監視社会のようで嫌悪感を抱くかもしれませんが、これは人間社会の「自治」という、自然で合理的なあり方なのです。

「目の効果」はルールの作成だけでなく、計画立案においても有効です。
従来型の組織では、計画はリーダーが立て、計画の一部を各部下にブレイクダウンします。

これが、集団参画型のマネジメントでは、計画立案にメンバーが参画した上で、役割分担を自分たちが決めます。

この方法により…

1、メンバーが計画全体を把握できる。
2、仲間の役割が分かるのでチームワークが高まる。
3、変化に強い。変化を自分たちで作り出すことができる。

といったメリットがありますが、ルール作成と同様に「目の効果」が発揮されます。しかも、それは監視よりも「仲間の期待に応えたい」という積極的な意味合いを持ちます。

集団参画型が機能すると、よくある「リーダーがいないとサボる」という悩みは皆無になるでしょう。

「みんなが参画した」という事実が、人の行動を律する力になります。互いの目が届く環境では、自然と責任感が芽生え、他者を思いやる行動が育ちます。
集団参画型のマネジメントは、組織のパーフォマンスUPだけでなく、健全な文化の醸成という嬉しい副産物があるのです。
 
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