言葉よりも14倍効く。ビジョンは「身体」で伝える。
経営計画発表会の準備をしている社長が多いと思いますが、先日、ある社長から「ビジョンが伝わらない」という相談を受けました。
「伝える」と「伝わる」は別物。なかなか難しいですよね。
ビジョンはラテン語の「videre」…「見る」を語源とします。
だから、社長の発表を聞いた時に、プロジェクトが成就した「その時」のイメージがありありと観えるものでなければビジョンとは言えません。
しかし、これが難しい。
そもそもビジョンを言葉で伝えるのには限界があります。
ビジュアルイメージには、「静止画」と「動画」があり、言うまでもなく動画の方がリアリティがあります。
だから、本当は自社のビジョンを動画にするのが最も効果的なのですが、現実的にそれは難しい。
だから、どうしても言語で伝えなければならないわけですが、言語で伝えるには相当の文字量が必要です。
パソコンに入っているファイル情報を見ると分かりますが、文書ファイルよりも画像の方が、画像よりも動画ファイルの方がサイズが大きいですよね。
もし、文字でビジョンを伝えるなら、動画と同じだけの情報を盛り込まなければならず、とんでもない文字数が必要になります。
単純なメガバイト換算ですが、1分間の動画の情報量を文字換算すると2000万文字以上になるそうです。
以上の事実から明らかになることは、経営計画書に書かれている「我が社のビジョン」は情報量としてまったく不十分ということになります。
もし、十分に伝えたければ小説くらいの文字量が必要でしょう。
動画も無理。文字での表現も無理…ということであれば、どうすれば良いのでしょうか。
それを可能にする唯一の方法は「対話」だと考えています。
対話には、表情、声のトーン、しぐさといった非言語情報が満載で、その情報量は膨大です。
メラビアンの法則という知見があり、それによると、対話による情報量の内訳は、言語が7%、声のトーンが38%、表情・しぐさが55%であり、非言語情報が93%を占めると言います。
僕は、自分の会社でも、経営支援先の企業でも、対話によるビジョンづくりを行ってきました。
やり方はシンプルで、「プロジェクトが成就した“その日“のイメージ」というテーマで、自由にワイワイガヤガヤと語り合うのです。
会議室で行うと固くなるので、仕事を連想させない場所、例えば、カフェやBarでやるのがよく、企業によっては焚き火を囲みながら対話をするところもあります。
これがやってみると面白く、同じ目標でも、それを達成した時のイメージはメンバーにより様々なんですよね。
達成の喜び、仲間と喜びを分かち合う喜び、家族に「すごいね」と言われたりと、本当に多様ですが、メンバーのイメージを重ね合わせるうちに、チームとしてのビジョンが立ち現れてくるのです。
そして、リアリティあふれるビジョンは、観た人のモチベーションを発動させます。
少しだけ理屈の話をすると、モチベーションは脳の「大脳辺縁系」という、快…不快、情動を司る部位で生まれます。
で、ここが厄介なのですが、大脳辺縁系は言語や計算を扱うことができないのです。だから、どれだけ正しい理屈を述べても、数値的根拠を伝えてもモチベーションは生まれません。
もちろん論理は大切なのですが、それだけでは不十分なのです。
本当に人の心を動かすのは、言葉の奥にある温度や表情、間といった、非言語の情報です。
それらが重なり合って初めて、ビジョンが立ち現れ、モチベーションを刺激します。
効率を求めて言葉を削るのではなく、あえて時間をかけて語り合う。
その積み重ねが、組織に強いエネルギーをもたらすと考えています。
ビジョン対話は、チームのエネルギーの礎を作る重要なプロセスです。
お勧めしますので実践してみてはいかがでしょうか。
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