リーダーは「正しさ」ではなく「願望」を語れ

ビジネスに「意味」を持たせられない企業は、これから厳しい経営を強いられると考えています。
意味とは、平たく言えば「何のために」ということで、物質的に満たされた現代人にとってモチベーションの源泉となります。

意味を持つと人の行動は大きく変わります。

卑近な例ですが、とても分かりやすい変化があったので「米澤家の家族旅行」を紹介しますね。
米澤家では数年前から、秋に家族旅行を催しています。
昨年は青森、今年は出雲に行きました。

昨年、青森を提案したのは僕ですが、最初、妻と娘からは「何でそんな行きづらい所に?」と反対されました。
実は、青森にした理由は、90歳の母が紅葉が好きで、「いつか奥入瀬の紅葉を見たい」と言っていたからです。
お陰様で母は元気なのですが、年齢を考えると、あと何回旅行に行けるか分かりません。
元気なうちに家族旅行をして思い出を作りたい。そうでないと、後で後悔すると思ったのです。

その思いを伝えると、家族全員が「是非行こう!」と合意。
ホテルや航空券、レンタカーの手配など、最高のチームワークで準備が進みました。

旅行当日も、それまでとは大きく変わりました。
以前は、旅行先で事故渋滞などの不測の事態が起きると、イライラして喧嘩になることがあったのですが、「良い思い出をつくる」というミッションにコミットすると、渋滞中も工夫をして楽しむようになったのです。

みんなが望むミッションがあると、こんなにも行動が変わるのだと驚きました。

さて、米澤家の家族旅行は経営に当てはめることができると思います。
みんなが望むミッションがあると経営は…
目標に対し「何でそんなことを?」と言っていたのが「是非やりましょう!」となる。
役割分担はリーダーがお膳立てしないと決まらなかったのが、さっさと自分たちで決めてしまう。
不測事態が起きると揉めていたのが、かえって団結する。

こうしたことを経営で再現するためにはミッションが必要で、その真髄は「みんなが望む」ということです。
そのためには、まずはリーダー自身が渇望していることが欠かせないのではないでしょうか。

願望はシンプルに「◯◯がしたい」という言葉に現れます。
逆に、願望がない時は「◯◯する必要がある」という言葉が増えます。これを「責任の罠」と呼んでいます。

リーダーは経営の合理性や段取りを考える前に、自分の願望に向き合うことが先決だと思います。

格安航空会社「ピーチ」の創業時、社長の井上慎一氏は、事業創設の際に、最初に「意味」を考えました。
格安航空は、コスト管理など、現場社員にかかる負担が大きくなりますので、意味がなければモチベーションを維持することは難しいでしょう。

考え抜いた結果、井上氏は次のような結論に至りました。

「お金のない若者でも世界中を旅することで友人ができ、草の根の平和ネットワークができる」

井上氏は、この思いがあって企業したのではありません。
親会社のANAから白羽の矢が立たり、初代社長に就任した後で意味を考えたのです。
相当に内省したことでしょう。

今日の記事を読んだ方の中には、「願望を持たなければならない」と捉える方がいると思いますが、これも「責任の罠」です。

願望は出ない時は出ないものです。
しかし、無理に出そうとせずとも、すでに心の奥底で静かに熱を帯びているはずです。それは、例えば、憧れという形で疼きを発するかもしれませんし、時には、願望に反することが起きた時に怒りという形で発露するかもしれません。

あなた自身が心から望む未来は何でしょうか。
そこが、未来創造の出発点になるはずです。
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