セールスは、大切な人に友人を紹介する行為と同じである

僕はすべての業種は「教育産業」だと考えています。
今って単に商品を作って売る、仕入れて売るだけでは商売が難しい時代です。
それだけモノが溢れかえっていて欲しいものがないからです。
欲しいものがないというのをもっと正確に言うと「欲しいものがわからない」と言えます。

ないのではなく「分からない」

だからそれを教えて差し上げるのが商人の役割で、そういう意味で教育産業だと考えているのです。

生活者は自分の欲しいモノが分からない

欲しいものがない、分からないというのは妻(夫)への誕生日プレゼントで分かります。
「今度の誕生日、何が欲しい?」と聞くのは最も芸の無いやり方です。
その理由は2つあって、1つはそれをプレゼントしても当たり前になるからです。
驚きと喜びが半減しちゃう。
プレゼントはモノの提供ではなく喜びの分かち合いですから、欲しいモノを聞いてはいけないのです。
こういうことを続けると、いつしか「現金でいい」なんていうドライな関係になります(笑)

もう1つの理由は、そう聞いても「分からない」と返ってくるからです。
欲しいモノが分からないのです。

普段から、相手のことを観察してセレクトした時に、「こういうの欲しかったの」と言われることだと考えています。
すごく高度な感性が求められる芸当ですよね。

商売も同じだと思います。
欲しいモノが分からない生活者に「こういうの欲しかったの」と気付かせてあげることです。
だから教育産業ね。

セールスは、大切な人に友人を紹介するような行為

先日、尼崎市で夢新聞を行った歳に「小林書店」に寄りました。
小さな書店なのですが、独自の商売スタイルで業界では超有名なお店です。

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以前に、僕のブログでも紹介しましたが、まさに教育産業なのです。
「商人の役割は、お客様の知らない世界を教えること」

上の記事では、僕がお店に入った時点では、まったく買う予定もなかった傘を買ってしまった話を紹介しています。

傘は立派なファッションアイテムで、どれだけオシャレをしても傘がコンビニのビニール傘だったら、とても残念だということに気付かせてくれたのです。

先日寄った時も、僕には欲しいものは特段ありませんでした。
でも、帰るときには2冊の本を脇に抱えていました。

滞在時間に何があったのか?

前日の夢新聞では、小林さんもサポーターで参加してくれました。
夢新聞コンテンツの根底に流れる思想を、小林さんほど共感してくれている方は滅多にいません。
それを分かってくれているから、僕が求めるものが分かるのです。
僕もそれは知っているのですが、その情報が書かれている本がどれかは知らない。
それを教えてくれたのです。

これはセールスとは似て非なるもので、小林さんはその本の素晴らしさを、正確には著者の素晴らしさをワクワクした表情で僕に教えてくれたのです。

セールストークではなく、著者の話で盛り上がった。
その結果、僕はその本がどうしても欲しくなってしまったのです。

その時の僕の感想は、普通に生きていたら出会うことのなかった本と出会えた喜びです。
それは、素敵な人と出会った時の喜びと同じです。

自分の親友を紹介するような感覚ですが、それは商品のことを愛していないとできないことだと思います。

教育産業になるということは、そういう行為だと考えます。

それでは今日も素敵な1日を!