「助けて欲しい」が言えるリーダーの勝利学
優れたリーダーは「助けて欲しい」が言えます。
私たちは、子どもの頃から「簡単に助けを求めず、自力で何とかしなさい」と教育されてきました。もちろん、自助は大切なことですが、人は集団の生き物である以上「共助」も大切にしたいところです。
共助の理念は、ラグビーの「One for all All for one」の精神と同じだと僕は考えています。
この解釈には諸説あるようですが、ラグビーに詳しい方によると「1人はみんなのために、みんなは1人のために」という意味ではないそうです。
「1人はみんなのために、みんなは1つの目標(勝利)のために」というのが真意だと言います。
つまり、助けるという行為は、本人よりもチームの勝利のためということになります。
日本ラグビー代表の元監督、平尾誠二さんは、「いいパスとはどういうパスか?」という問いを選手に投げかけたそうです。
すると「ボールの軸がしっかりしている」とか「受け取りやすい」といった意見が出たそうですが、平尾さんは、いいパスの条件は1つしかないと言います。
それは…
「そのパスによって勝利が近づくか?」
です。
これも「みんなは1つの目標のために」の思想の派生形と言えると思います。
そう解釈すると、優れたリーダーが「助けて欲しい」という真意が観えてきます。
それは、「私を助けて欲しい」ではなく「チームの勝利のために助けて欲しい」というということです。
逆に言うと、助けを求めないというのは、チームの勝利を阻害する迷惑行為ということになります。
一般的に、リーダーに対しては「弱者は助けるが、自分が他者に助けを求めることはしない強い者」というイメージが定着しています。そして、それを裏打ちする、経験豊富でタフな人がリーダーに就きます。
しかし、正解がない時代では、経験豊富ということの価値は劣化する一方です。
助けを求めることができる人にしか、リーダーは務まらない時代になったと考えています。
助けを求めることは、自分の弱さを開示することになるので「馬鹿にされるかもしれない」と不安に思うかもしれません。
しかし、決して馬鹿にされることはありません。
誰もが、自分の弱さを打ち明けることは勇気が要ることだと知っているので、むしろ尊敬されることが多いはずです。
今日の内容は、何もリーダーに限った話ではありませんが、リーダーが率先することで、組織全体の風土が「One for all All for one」に向かい加速すると考えています。
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