規則を社長が決めることほど効果がなく社風が乱れることはない

僕の知人が経営する会社には、規則らしい規則(ルール)がありません。
あるのは「顧客や地域に迷惑をかけないよう1人1人が考える」といったシンプルで抽象的なものだけです。
でも社員さんは本当にその通りの行動をしています。

一方で、思い出しただけでも肩が凝るのですが、ものすごく細かな文言で書かれた規則がある会社も経験があります。
その会社の事務所に入った瞬間に、壁に細かな規則が貼り出されていました。
正直、来なきゃよかったと思ってしまった(失礼!)
社員さんに経緯を聞いたら、「規則を作ったは良いが、規則に当てはまらない例外が出て、それに対応して文言が増えた」ということらしい。

明文化しないケースもあります。
この場合、社長の小言が多いんだよね。
何かにつけ「それは違うでしょ?」と文句が出る。
社長に聞いたら「躾は大切だ」「おかげで社員の行動が変わった」と言います。
でも、それは違います。
社員さんは「社長に小言を言われない行動を身につけただけ」なのです。
とても受動的、消極的ですよね。

さて、冒頭の大した規則がないのに健全な組織は、一体どうやってその風土を作ったのでしょうか?

実は、シンプルな言葉に行き着く背景には、みんなが参画して議論した膨大な時間があるのです。

以前はこんな社風ではなかったそうで、細かな規則が定められていました。
例えば、最寄りの駅から会社までの歩いて10分間ほどの行動が細かく決められていました。

「タバコのポイ捨てはNG」
「できるだけコンビニなどには寄らない」
「信号無視はしない」

なんでこんなアホみたいな規則ができたかと言うと、ご近所からクレームが来たからです。
「お宅の社員、客の立場になると態度が悪い」なんて…
だからコンビニ立ち寄り禁止なのね 笑

規則は社長が独断で決めていましたが、書かれた以外の行動で近所からクレームが来るようになり限界を感じ、みんなで規則を考えるようにしたのです。
すると、みんなで考えるのでこれまで以上に数多くの細かなルールが出たそうです。

そして自分たちで作った規則なので、修正も自分たちで行いました。
定着して必要のないルールは消していきました。

そして1年ほど経った時に、たった1つのルールだけが残りました。

「顧客や地域に迷惑をかけないよう1人1人が考える」

これだけです。

僕が住む地域に、「いい会社をつくりましょう」の社是で有名な伊那食品工業株式会社がありますが、これも同じ文脈で作られたのだと感じています。

成熟した会社ほど規則がシンプルで抽象的になります。
もし規則が必要だと思ったなら、今日紹介したプロセスに挑戦してみてはいかがでしょうか?

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