モチベーションが勝手に再生産される、持続可能なヤル気のエコシステム

部下のヤル気を引き出すなんてことはリーダーの仕事ではないと考えています。
上司にヤル気にしてもらうことを期待している大人なんて困るでしょ?

上司の役割は、ヤル気を削ぐような邪魔をしないこと、そしてメンバーが愉快に働ける環境を整えることだと考えています。
愉快に働ける環境が整えば、自然とモチベーションが湧き出てくるはず、そう思うのです。

それはどんな環境で、どんな効果があるのか?
今日の記事ではそんなことを考えたいと思います。

❚他人に刺激されたモチベーションはすぐに消え去る

僕が30代の頃、「部下の性質別ヤル気の引き出し方」なんてノウハウを学んだことがあります。
例えば、お金を稼ぎたい部下には、「頑張れば昇給するぞ」と励ましたり、承認欲求の強い部下は褒めて伸ばしたりと。

しかし、こんな器用なことは長続きしませんでした。
それどころか、部下の中には「ヤル気を引き出すのがリーダーの仕事」と思う人が出るどころか、ヤル気が出ない原因を僕に向ける人が出る始末です。

僕がヤル気スイッチを押さないと頑張れないなんて脆弱な組織ですよね。
そもそも僕にも自分の仕事があり、チームの隅々にまで目が行き届かないし時間的な制約があるので無理な話だと思ったのです。

❚モチベーションが自動的に再生産されるエコシステム

そんな状況が一変したのは指示ゼロ経営を導入した時です。
僕が社員のヤル気を引き出そうとすると、すごく嫌がるのです。
その理由は、僕にコントロールされていると感じるからだという事が分かりました。
経験ないですか?
「そんなに褒めて私をどうしようとしているの?」と不気味に感じたことが。

指示ゼロ経営では、自分たちの行動は自分たちで制御します。

1、自分たちで課題を発見する
2、みんなで知恵を出す
3、適材適所の役割分担を決め行動する
4、行動を振り返り改善する

こうした協働が日常で行われるようになります。
そうすると仕事が愉しくなります。

□やらされではなく、自分で物事を決められる。
□仲間と協働する中で自分の居場所ができる。
□仲間への感謝や尊敬の気持ちが生まれる。
□成長の実感が感じられる。

こうした愉快を仕事の行為そのものから得ることができるのです。

で、この愉快が次なる行動のエネルギーになる…つまり、モチベーションが自動的に再生産されるエコシステムの出来上がりというわけです。

僕は、会社が指示ゼロ経営になってから、社員のヤル気を引き出すなんてことは「一度も」したことがありません。
する必要がないからです。

自発的なヤル気は創造性を発現させます。
そして顧客が喜ぶ価値を生み出し、顧客から感謝されることでさらにモチベーションが生産されるという好循環が生まれます。

メンバーのヤル気を引き出すのではなく、自然とヤル気が湧き出る環境を整えることがリーダーの役割だと思うのです。

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