「みんな違ってみんな良い」を経営で実現する方法

多様性は時代のキーワードで、企業でも盛んに言われるようになりました。
色んな考え方、価値観、タイプの人がいて良い。
「みんな違ってみんな良い」なんていう言葉もあります。

でも、このふんわりとした概念を実務に落とし込むのは結構、知恵が要ります。
単なる概念だけだと平和ボケした組織になり「みんな違って組織は弱い」となる危険性があると。

今日は、違いがあるからこそ成果を生む、1つの可能性を考えたいと思います。

今から16年前、僕が経営してきた新聞店は新規事業に乗り出しました。
地元のパン屋さんと提携して、朝、焼き立てパンを届けるというサービスです。
しかも「リゾートホテルのルームサービス」という演出をしました。

中軽井沢にあるリゾートホテルという設定で、ありもしない架空のホテルを、まるで実在するかのようにデザインし会員制で始めました。

この事業で、まさに様々なタイプが活躍したのです。

絵に描いた餅が得意な人

僕は、世界観、コンセプトを描くのが好きで、まあまあ得意です。
いわゆる絵に描いた餅が得意なのです。

16年前、家族でリゾートホテルに泊まった時にパンの宅配のアイデアを思いつきました。

しかし、これまでも思いつくのは良いが絵に描いた餅で終わってしまうことが多かった。
たくらんでは中途半端、たくらんでは中途半端の繰り返しでした。

それをパンの事業で「食える餅」に変えた実務家がいたのです。

具現化が得意な人

当時、当社にいた実務家は女性でした。
僕の妄想に共感してくれ、それを具現化できる仕事ができる人でした。
具体的にはブランド化、商品化、マーケティングなどをやってくれました。
僕は次から次へと具現化する姿を見てマジシャンのようだと感心したのです。

システム化が得意な人

実務家が作り上げたシステムも、実際に運用しなければ意味がありません。
パンを宅配する仕組み、受注からパン屋さんへの発注、集金などです。
各作業をルール化して誰でもできるようにしないと事業は安定しません。

当社では女性のパートさんがこれの達人でした。
僕が会社に行くたびに作業の手順が出来上がり、それをチェックするシステムをエクセルでつくってくれました。

実は、僕はこの時「人はこんなにも違うんだ」という事を知ったのです。
僕は単純作業が苦手です。
自分がそうだから皆んなも単純作業は嫌いだろうと考えていたのですが、そうではないことに気付いたのです。
パートさんは本当にイキイキと仕事をしていました。

さて、お気づきの方もいると思いますが、これまで紹介した「絵に描いた餅」「具現化」「システム化」はイノベーション理論に当てはまるのです。

イノベーター=絵に描いた餅
アーリーアダプター=具現化
アーリーマジョリティー=システム化

この理論を社員全員が知ることで、自分がどのポイントで活躍するかが予想できるし、誰がどこで活躍するかを全員が確認すれば、違いを尊重できると思うのです。

同時に適材適所がスムーズにできると。

さて、仲間の顔を思い浮かべながら、誰がどこで活躍するかイメージしてみて下さい。
社員さんとこの情報を共有すれば、そのイメージは現実化すると思いますよ。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

【指示ゼロ経営に初めて触れる方へ】

指示ゼロ経営って何? なぜ今の時代に必要なのか?どんな効果があるのか?
12分の動画にまとめました。

また、僕が指示ゼロ経営を始める原体験と思いを綴った記事も参画にして下さい。
「指示ゼロ経営とは?」