データではなく「情報」を制するものが経営を制する

「情報を制するものは指示ゼロ経営を制する」…指示ゼロ経営に限った話ではありませんが情報を活用できる人は強いと思います。

「情報」をね!

なんで含ませた言い方をしたかというと、情報と思っているものの多くが単なるデータというケースが多いからです。
情報とデータは違います。
何が違うかと言うと、情報とは書いて字のごとく「情を報せる」ものなのです。

これは中日新聞の前社長が講演で、新聞記者も情報を扱えないとおっしゃっていました。
そこで出た話が面白かった。

「1000億円というデータを情報に変える」という例題が出ました。
情…心が動く伝え方にするというものです。
どんな表現が思いつくでしょうか?

前社長は、例えばこんな表現があるとおっしゃっていました。

「あなたが毎日、あべのハルカスの屋上から、毎日毎日365日、100万円の現金をばらまくとしよう。その行為を273年間できる金額なんです」

さらに、273年という時間にも情を加える。
「273年前といえば、伊能忠敬が生まれたくらいの頃です」

そして前社長は言いました。
「記者がデータと情報の区別もしないで書くから、新聞が面白くないんだ」

ギクっとしました。
企業繁栄の要諦だと思ったからです。

ここで脳の話。
顧客が商品を買うのにも、社員が何かに取り組むのにもモチベーションが必要です。
そしてモチベーションは「情動の脳」(大脳辺縁系)で作られます。
人は、大脳辺縁系の外側に位置する「大脳新皮質」…言語・計算・論理を司る部位が発達していますが、ここではモチベーションは作られません。

ジャパネットたかたの高田明さんは情動の脳に火を点けるのが上手いです。
松下幸之助氏も井深大氏も社員の情動に訴えるのが上手だったのだと思います。

ここからは指示ゼロ経営の話。
指示ゼロ経営は、課題を自分たちで発見し→みんなで知恵を出し→行動し→行動の結果を見て次の意思決定をする…このサイクルを自分たち主導で回し続けます。

指示命令ではなく情報をもとに意思決定するのです。
だから、データだけでなくモチベーションを生むためにの情「報」が必要。

顧客の悩み、社長の思い、仲間の願いや夢…そうした生々しい情報を共有することだと思います。

情報を制するものは指示ゼロ経営、商売を制する、そう思うのです。

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