社長募集! いるだけの簡単な仕事です!

昔、商売の先輩に「社長が会社にいないとダメになる」と言われました。
僕はすぐに反論しました。
「社長がいつも会社にいなと回らない方がダメなんじゃないですか?」
そうしたら先輩はこう言いました。

「居るってのは物理的にそこにいるという意味じゃない」

「居る」…この深く不思議な世界観を、当時の僕は理解できませんでした。
40歳を過ぎた頃から、何となくその意味が解るようになってきました。
社長にとって最も重要な役割の1つは居ること。

居るとはどういうことか?
それが組織に与える影響とは?

「心ここにあらず」と言いますが、肉体ではなく心が居るってすごく難しいことだと思います。
いるようで居ない。
そんな事が多いと思います。
なんのこっちゃ?って感じですよね?

居るとは、「今、この瞬間、ここに」ディープに接地している状態、僕はそう解釈しています。
過去や未来、他人の評価を一切、考えない状態。
アスリートが体験するゾーンに似ていると思います。

ゾーンに入るのってすごく難しいんです。
「どうやったら入れるか?」と考えた瞬間に、今ここには居ず入ることはできない。
以前に、ゴルフの石川遼選手が、勝利インタビューで「おそらく僕はゾーンに入っていた」と語りましたが、後になって分かるものだと思います。

これが居るということだと思う。

では、社長にとっての居るとはどういうことでしょうか?
今を100%肯定している状態だと思っています。
問題も課題もたくさんある、しかし、それも輝ける未来への過程…必要な過程であると信頼している状態だと。

以前に、サッカー日本代表の元監督、岡田武史さんがこんなことを言っていました。
「試合中、上手く行かない時、僕は“あれ?どうしたのかな?”と思う」
最初にこれを聞いた時は呑気な人だといまいましたが、よく考えると深い言葉だと思いました。
勝つことが前提になっているから出る言葉ですよね。

勝利が前提で、自分が思っていたシナリオと違うものになった、だから「あれ?」と思う。
状態が変わっても勝利することに変わりはない、だから想定外を受け入れられるのだと思います。

勝利は未来に訪れるものですが、それを今と同期してしまっている。
すごい境地だと思います。

これが居るということだと思います。

念という文字は「今の心」と書きます。
今はとはいつの事か?
「いま」と口にしている間…「い」と「ま」の間にも時間が流れますから今じゃない。
真の今とは言葉が介在できない世界なのだと思います。

今と未来を同期した時に、本当の「今、ここ」に立つのだと思います。

「念ずれば花開く」とはこういうことなのだと思います。

社長の役割は居ること。

とても不思議で魅力的、そして簡単に到達できない世界です。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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