社内報を活用して自律的に成長するチームを育てる

定期的に社内報を発行している会社があります。
ある程度、大きな組織では編集担当者がいて定期的に出すことが可能ですが、小さな組織の場合は大変だと思います。
しかし、カッコいいものでなくても良い、A4ペラでも良い、毎月でなくても良いので発行することが良いと考えています。

その理由は社内報は人材育成のプラットホームになるからです。
今日は、人材が育つ社内報のあり方、書き方、使い方について考えたいと思います。

社内報を人材育成のプラットホームにする

そもそも社内報は何のために出すのでしょうか?
もし、社長や会社の方針を伝達するためと考えたならば、それは徒労に終わることが多いと思います。
なぜならば、一方的に伝えても自分事にならないからです。
社長事だと読んでもくれないかもしれません。

僕が初めて社内報を発行したのは2004年でした。
最初は気合いが入ります。
「深いい」ことを書かねば、そう思い、書籍を読み漁りました。
とても良かったです。
僕が学習するという意味では。

僕は社内報を書くことで自分の考えが整理され、確かに成長しました。
しかし、社員さんは育ちません。
人は自分で考えてアウトプットした時に最も学習するから、一方的な通達では成長しないのです。

もちろん、社長の思いを伝えることは大切ですが、社員さんが自分で考え行動することで深い学びを得ることができます。

そこで改善をしました。
社内報を人材育成のプラットホームにしたのです。

具体的にはこんな仕組みです。
1、社員さんが業務改善などの取り組みを自分たちで考える
(あるいは、自社の理念に沿った行動を考え行動する)
2、実践事例を集め、それを社内報に載せる
3、実践事例をみんなで学び合う

この一連を繰り返すのです。

社内報を活用し仲間から持続的に学べる仕組みをつくる

少し話は逸れますが、面白い話があります。
ある服屋さんでは、定期的に地域に折込チラシを撒いていました。
メーカーが用意したモデルの写真を使い、自店オリジナルのチラシを作っていました。
キレイなチラシなのですが、どこか既製品っぽさがあり、読んだ人の触手は伸びなかったと言います。

ある日、「一層、お客様をモデルにしたらどうか?」というアイデアが出て、すぐに実行しました。
すると、ほのぼのとしたチラシにはなりましたが、一気に読まれるようになったそうです。

さらに副次的な効果もありました。
モデルになったお客様の感性が向上したそうです。
実際にコーディネートに参加したことの効果です。

この件から社内報のあり方が学べます。

・身近な存在は良き先生
・教えた人が最も学習する

社員さんにとって最も良き教師は、実は「ちょっと上を行く仲間」です。
社長の言うことには含蓄があると思いますが、レベルが高く遠い世界の話、ということが多いと思います。
それに対し、仲間の実践は身近です。
「それなら自分にもできる」…そんな意欲を掻き立てます。

また、あまりの上級者の場合、そこに到達するまでの道のりがイメージできません。
野球少年にとってのイチロー選手は、雲の上の存在すぎるのです。

まずは身近な存在から学び、ある程度成長した段階で社長の言っていることが理解できるのだと思います。

また、人は他人に教えた時に自分が最も学習しますので、社内報で紹介したら、できるだけ早く、朝礼などで学び合いをすることだと考えています。

今では社内SNSという方法もあります。
1、社員さんが取り組みを自分たちで考える
2、実践事例を集め、それを社内報(SNS)に載せる
3、実践事例をみんなで学び合う

この繰り返しで学習は加速すると考えています。

それでは素敵なクリスマスをお過ごしください。

【現在受付中のセミナー】(2019年12月25日時点)

■賃金・賞与で自発性と創造性が変わる体験をする!
ゲームで学ぶ、内発的モチベーションとチームワークが高まる賃金制度構築セミナー
・2020年1/8(水)東京開催

■指示ゼロ経営フルトレーニングセミナーinしらかわ(福島県)
4つの体験ワークを通じ、身体で指示ゼロ経営の全てを学ぶセミナーです。
・2020年2月21日(金)福島県白河市開催

■現場が指示ゼロで課題解決できるようになる!現場力養成 研修 in鶴岡(山形県)
現場のことは現場が一番知っています。現場で知恵を出し合い協働できる秘訣を体験ワークを通じ、身体で覚えながら学びます。
・2020年2月7日(金)山形県鶴岡市開催