従業員満足では企業は発展しない。仕事から得られる悦びを基準にする

満足ではなく悦びを基準にする

恋愛の世界では「大嫌いだけど大好き」ということがありますよね。
人はYesかNoかの一次元で物事を判断しているわけではないということです。
だから難しいんだよね…

これを経営に当てはめると、不満が改善すれば満足になるとは限らないということです。
不満もあるが同時に満足もある。

社員が口にする不満に翻弄されてはいけないと考えています。
とは言っても、不満を放置しておくのは得策じゃない。
特に賃金に対する不満は。

かと言って、賃金が良ければ満足かと言えばそうでもありません。

そもそも満足は基準にならないと考えています。
ある人は、任されると嬉しいと感じますが、別の人はそれがプレッシャーになる。
基準が人によって違うから統一のモノサシでは測れません。

僕は、賃金とやり甲斐という2つの柱を持つことが大切だと考えています。
一次元ではなく2つの柱です。
そして、それが「やり甲斐を持って仕事をした」→「賃金が上がった」という因果関係になった時に、仕事に熱中し、仕事そのものから悦びを得られるのだと。

ゲーム理論の研究者に聞いたことがありますが、ゲームに熱中するのは、自ら判断し行った結果が見えるからだと言います。
結果とは、得点だったりキャラクターの成長だったり、プレーヤーの成長だったり、そんな悦びを得られるゲームに熱中するのだと。

「悦び」がモノサシです。
(喜びではなく悦びと書くのは、悦びの方がディープな感じがするからです。いわゆるフロー体験に似ています。)

社員全員でなくても、1人でもこの因果関係で悦びを感じながら仕事をする社員を増やすことだと考えるのです。
「言われた通りに仕事をしたい」と言っていた社員が、仲間の姿に刺激を受け、自ら仕事を創造する場面を僕は何度も見てきました。
人は、仲間の姿を見習い、自らを成長させるのだと思います。

悦びが生まれる4大原則

満足を追求しても企業は良くなるとは限りませんが、悦びと業績には相関関係があります。
カリフォルニア州立大学・リュボミアスキー教授の調査によれば、幸福度の高い従業員はそうでない従業員に比べ、生産性が30%、営業成績が37%、創造性に至っては3倍も高いという結果が得られたと言います。

さて、悦びはどこから生まれるのか?
原則は「やり甲斐を持って仕事をした」→「賃金が上がった」ですが、もう少し詳しく見ていく必要があります。
次の4段階で生まれると考えています。

1、自ら決め判断し仕事ができる
2、仲間と協働できる
3、顧客から感謝される
4、業績が良くなり賃金が増える

1は正にゲーム理論です。
2も重要です。
人間にとって最も手軽な遊びは「会話」です。関係性の生き物だからです。
なので協働は幸福感に繋がります。
ただ、関わりの度合いは人によって違います。基本的に1人で仕事をする方が好きという人もいます。
チームとして最低限の関わりは持ってもらいますが、過度に一致団結を求めると組織のパフォマンスは落ちると思います。

3は、自分たちで決め行動したことの変化、成果です。
業績向上はその後ですが、まず、目に見える変化がないと嫌になってしまいますよね。

お客様の声を集めている会社の方が社員がよく育つ傾向があります。
自分たちで決め行動したことによる変化が見えるからですし、必要とされている実感は自己肯定感を高めます。

4に関しては、顧客からの支持の賜物ですが、業績と賃金が連動する仕組みが必要になります。
賃金制度に関してはこの記事を参考にしてね!
「理に適った賃金制度で社員の自発的なヤル気は飛躍的に高まる」

繰り返しになりますが満足はモノサシにはなりません。
やり甲斐から生まれる悦びが企業にとっての有効な基準です。

これがあれば多少の嫌いがあってもOKだと考えます。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。


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