自律型組織ができるまでに、リーダーが体験する心境変化をまとめてみた

最近話題のティールやホラクラシーなどの自律型組織…いちいち上司に指示命令されなくても、自分たちで課題を見つけ、協働で解決できる組織は、どのくらいの期間で出来上がるのでしょうか?

それはチームによって様々だと思います。
早いと3ヶ月ほど、5年ほどかかるチームもあります。
その期間にチーム内でどんな変化が起きるのか…
実はリーダーに起きる変化と部下集団に起きる変化、両方があります。

今日は、リーダーに起きる変化の過程を紐解きたいと思います。

最初は、疑い・不安・葛藤から始まる

まずはリーダーの側に起きる変化について考えたいと思いますが、その前に自律型集団の基本的な性質について確認したいと思います。

自律型集団はリーダーが「つくる」と思えば思うほど実現から遠ざかります。
その理由は、リーダーによってつくられた集団は、そもそも自律的とは呼べないからです。
「つくる」ではなく「なる」…この認識が大切だと考えています。

そのためには「望みの統合」が欠かせません。
リーダーが望んでいる事を、もし、部下集団が望んでいなければ自発的に動くはずはありません。例えば、リーダーは年商10億円にしたいと思っている、でも、部下は休みが欲しいと思っている…この様な分離が起きていると自発的には動きません。
まずは望みの統合があることが前提となります。
詳しくはバックナンバーを御覧ください。
会社が社員にとって「なくてはならない存在」になった時に起きる凄いこと

環境が整えば、ホモサピエンスの集団は共創・協働を起こすもの…これを信頼できればなる。
ところが、この「信頼」が簡単ではないのです。
リーダーの側に起きる変化は、信頼のプロセスです。

疑いと不安

僕を含めほとんどの人は、最初は集団を信頼できません。
「指示命令もなしに本当に動くのか?」「好き勝手にならないか?」「サボらないか?」
希望よりも、疑いと不安が先行するものです。
リーダーの不安は部下に伝わります。コミュニケーションがぎこちなくなることもあります。

部下集団も自律的に動くことに慣れていないので上手にできません。
それを見て「やっぱダメだ」と思ってしまうことが多いです。
しかし、この段階は通過点です。

不安の現象化

次に起きることが「不安の現象化」です。
不安に思ったことが実際に起こります、多くの場合。
リーダーにとっては、とても辛い時期だと思います。
しかし、ここで「やっぱお前らには無理だ」と言ってしまえば、もう自律型組織になることは難しいと思います。
「無理だ」とまでは言わなくても、口を出したりお膳立てをしてしまっても同じです。
それは不信頼のメッセージに他なりませんから。

葛藤

不安が現象化した時に、それでも待つことができれば、自律型集団になる一歩手前だと考えています。
「待つ」というのは指示命令を出さない、答えを教えないことです。
この状態を経験したリーダーが取る行動は2つあります。
1つは、集団の外から見守る。
もう1つは、集団の中に入って見守る。

集団の中に入った方が安心できるという方が多いように感じています。
その際、気づけば自分がリードしていた、答えを与えていた、なんてことがないように注意が必要です。
ファシリテーションもしません。
リーダーが進行役をやってくれないと課題が解決できなくなるからです。
(※今後もずっとファシリテーションをするならOKだと思います)
この段階で多くの人が自律型集団を諦めますが、闇が一番深い時期は、もうすぐそこに夜明けが待っている段階です。

リーダー自身が、自分の内面と向き合い、何が怖いのか? 何が不安なのか? 何でイライラするのか?…内観することが大切です。

葛藤を乗り越えた時に、チーム成長が本格化する

プロトタイプの誕生

どんなに大きな挑戦でも、その道のりでやることは地味なことですよね。
小さなことの積み重ねで大を成す…これはつまり、小さな成功を積み重ねていくことです。
当然、失敗もありますが、そこから学び小さな成功を手にします。
プロトタイプの誕生です。

その成功を「自分たち」で創り出したと部下集団が感じた時に、急成長を始めます。

と、同時にリーダーの内面に小さな信頼が生まれます。
これが決定的なのです。

信頼の現象化と確信

部下集団が小さな成功を体験し、同時にリーダーに小さな信頼が生まれると、互いに「できるかも」という自信が生まれます。

すると、次なる成功を生み出します。
これをいくつか繰り返すと双方に「できる」という確信が芽生えます。
「かも」が「できる」に変わる瞬間です。
部下集団はさらに自発的に動くし、リーダーは安心して任せられるようになります。
仮に失敗しても、そこから学び次に活かす姿を見たらリーダーは安心できますよね。

集団の変容

自律的に動く場合、そこには「全員経営」があります。
全員経営とは、「全員が役割を持った経営」です。
課題に対し真っ先に動く人、その人をサポートする人、同調圧力に負けず勇気を出して反論する人、みんなが意見を言えるように、みんなに意見を求める人、衝突が起きた時に仲介する人、意見の調整を行いまとめる人…

チームとして成果を出すための「役者」…花形の裏方も、全役者を誰かが担当する状態が全員経営です。

1人1人は、自分の個性を活かし責任を持って自由に役を演じる…
そんな1人1人が結合し全体最適の構図ができる…

これが集団の変容です。

もちろん、この状態がずっと続くわけではありませんが、イザという時にこうなれるチームは強いですよね。

指示ゼロ経営には発達の段階があります。
リーダーと部下、双方に。

辛い時期を乗り越えて、本当に逞しい集団に成長するのだと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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