1人も見捨てないことが1人1人が一番、得する方法である

よく時代は競争から共創に移り変わっていると言います。
以前、僕はこの考え方が嫌いでした。何となく平和ボケっぽさを感じたからです。
キレイ事だと思っていた。
道徳の話だと思っていました。

しかし、4年前にある方と出会い、徳ではなく「得」の話だということが分かったのです。
今の時代、企業の生存にとって最も大切なことだと考えています。

全ての人が役割を持つ全員経営で難局を乗り越える

社会は、すでに工業化社会を抜け完全な成熟社会(感性社会)に入りました。
大量生産・大量販売の時代ではありません。
工業化社会では生活者はより良いスペックのモノを欲しがりました。テレビで言えば、より大きな画面、高画素数、良い音質…数値化できる価値を求めたわけです。

「分かりやすい価値」と言っても良いと思います。
こういう時代では競争が効果を発揮しました。一部のデキる人間が競争に勝ち抜こうと頑張れば、組織全体を牽引できました。

競争は、限られた人しか達成できない目標が設定されます。
だから競争させて上位者を表彰するなんていう施策が取られたわけです。

ところが、今は正解がない時代です。
生活者の欲求は高度で抽象的になっています。抽象的というのは数値化できない、感性の領域です。

「分かりづらい価値」と言い換えても良いと思います。
そういう時代では、三人寄れば文殊の知恵の「全員経営」が求められます。

ところがこの全員経営が誤解されやすいと感じています。
一枚岩、一致団結のイメージが強すぎて「全員が同じになること」を求めがちですが、本質はそうではないと考えるのです。

「全ての人が役割を持つ経営」…これが本質です。
人との折衝が得意な人、まとめるのが得意な人、仲間を元気づける、癒やす、一番最初に行動する、概念化…「チームとして」成果を上げるために必要な役割を、全員が持っている経営です。
さて、これを実現するためには「1人も見捨てない」という思想が必要になります。

1人も見捨てないことは1人1人が一番得する方法である

僕にこのことを教えてくれたのは、上越教育大学の西川純教授です。
西川先生は、『学び合い』(二重カッコで表記)という、教員向けのアクティブラーニングの思想・スキルを研究、提供しています。

これまでの教員による一斉指導ではなく、子ども同士が学び合うスタイルで授業が進みます。
子どもたちは授業中に立ち歩き、友だちを教えたり、助けを求めます。

子どもたちに協働・共創を求めますが、その理由は「それが1人1人にとって最も得なこと」だからです。
目標設定も違います。
競争では1部の人だけが達成できる目標を設定しますが、共創では全員が達成できる(共創しないと達成できない)高度な目標を設定します。

そして「1人も見捨てない」ことを求めます。

感性社会の経営は本当に知恵が要ります。ダイナミックな挑戦も求められるし、諦めずにやり続ける粘り強さも必要です。

これ、1人ではできないことです。

だから共創が求められる。
共創は1人も見捨てない、1人も見捨てないことを諦めないことで成り立ちます。
チームが目標・目的を達成するために必要な、色んな役割を全員が担っているという、真の全員経営になるわけです。

こうした概念を「1人も見捨てない」というシンプルなパターン・ランゲージにしたのだから西川先生は本当にすごいと思います。

ティールを読むよりも、「1人も見捨てちゃダメ」と声をかけ続けた方が効果があると思います。
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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