人には「ここまで到達すれば後は自動的に育っていく」という到達点がある

社長であれば誰でも社員の成長を望みます。
でも「成長した姿」のイメージが明確でないことが多いと感じています。
目安が必要だと思うのです。
逆にイメージがないと育ったのかどうかが分からないから、社長はモヤモヤします。
「これでいいの?」と。
で、意味のない不満を感じて要らぬことを言ってしまったりします。

僕は人材育成において当面の目標としているポイントを持っています。
そこに到達すると後は「勝手に育っていく」、そんな到達点です。

まず目指す育成の目標は自分で判断して行動すること

そのポイントとは「おひねり」をもらえた瞬間です。
おひねりとは芸人さんが素晴らしい芸を見せた時に客から「ブラボー」の気持ちとともに飛んでくるアレです。
自分の給与が社長からではなくお客様からいただいたと実感した時に「おひねり」になります。
おひねりに対しては「お駄賃」があります。それは文字通り、誰かに頼まれて期待通りのことをした時にいただけるお金です。
普段の買い物で圧倒的に多いのはお駄賃だと思います。
コンビニで買い物をする時には伝説のホスピタリティは期待していません。すばやくレジを済ませてくれれば良いと考えています。
その対価はお駄賃です。

ところがウチの近所のコンビニにはとても親切な店員さんがいます。
カゴを持たずに買い物をしていて両手がいっぱいになってしまったことがあります。すると店員さんがカゴを持ってきて「どうぞ」と差し出してくれました。
すごく嬉しくて、レジを済ませて出る時に僕は軽く会釈をしました。
買い物代金以上のチップを渡すわけではありませんが、会釈だって立派なおひねりだと考えています。
お駄賃は期待通り、おひねりには期待以上の喜びや驚きがある、そんな違いだと定義しています。

おひねりは難易度が高いです。その場、その相手、その状況に応じたオリジナルの判断が求められますからね。

僕が考える「到達点」とは自分で判断して行動した結果、おひねりをもらった喜び、醍醐味を感じた瞬間です。
「次もがんばるぞ!」という気持ちになり自発的なヤル気と向上心を高めるのです。

お客様からおひねりをもらった瞬間に自動的成長は始まる

人材育成で目安を持つと、社長も部下も互いに目指すものが明確になります。
入社した当初は基本業務を習う時期があります。先輩や上司から「手取り足取り」習います。
これは、言われたことをやるのだからお駄賃の領域です。
まずはお駄賃をもらえる人になることが目標です。
人によってはこの段階では自発的なヤル気に欠けるように見える人もいると思います。

しかし、その多くは「その先」が観えていないからだと考えています。今覚えている業務をマスターすれば、いよいよ次の段階、自分で判断して仕事ができるという希望が大切です。
目安を共有すると自ら育ってくれるのです。

お駄賃からおひねりに移行する時には、仕事の意義を確認することが最も大切になります。
意義とは「なぜやっているか?」です。
例えば、とあるファミリー向けのレストランでは「家族の素敵な思い出を創る」というミッションを掲げています。
素敵な思い出が目的で、手段として料理提供や接客などがあるという構図を明確にしています。

スタッフもよくこれを承知しています。
「自分の仕事の目的は料理をテーブルに運ぶことではない、それを通じて素敵な思い出を創ってもらうことだ」と。

判断のモノサシがあるから行動が変わりますよね。
その場、その相手、その状況での独自の判断ができるようになるのです。

そこでおひねりをいただけたら、それこそ仕事の醍醐味を知ってしまいます。

醍醐味を知った瞬間の社長、上司の役割も重要です。
別に評価する必要も大げさに褒める必要もないと考えています。

部下ができるようになった事に対し、素直に嬉しさや感謝の気持ちを伝えることだと思います。本人の喜びに花を添えることです。

人は認められたい生き物です。しかも上司のコントロールの意図のある称賛ではなく、自分の努力で手にした承認の証…おひねりは本人の心に強烈なスイッチが入ります。

これが僕が人材育成の当面の目標にしているところです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

【現在受付中のセミナー】

■採用がチームづくりを決める! 自発的な人財が集まる採用セミナー i
不人気業種を経営する中で、試行錯誤の果てに開発した採用術をすべてお伝えまします。ある会社では起業前、つまりまだ実績がないにも関わらず定員の倍の人が集まりました。「働きがいを求める人材を多く集める」→「採用試験で自発性と成果意識が高い人材を見極める」→「既存の社員も教育に関わり、自ら育つ」
この一連のプロセスを通じ組織の底上げを狙います。
・11月5日開催 【残席6名】東京開催はコチラ!

・11月26日開催 大阪開催はコチラ!

■指示待ち社員が自ら動く社員に変わる 指示ゼロ経営ベーシックセミナー
共有された目標に向かい、社員さんが自分たちで課題を見つけ考え協働し成果を創る。
自律型組織を実際に体験しながら、その構築法を学ぶセミナーです。
・12月18日(火)福岡開催
詳しくはコチラを!

 

The following two tabs change content below.
米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket