チームに魂が宿った瞬間、店長は何を語ったのか?

まだ育っていないチームが起動するには何が必要か?

指示ゼロ経営におけるリーダー、マネージャーの役割は何なのか?
「何もしない」という重要な役割があります。
でも、何もしなくて組織が良くなるのなら死人にだってリーダーは務まりますよね(笑)

何もしないというのは「信頼して待つ」ということです。
指示ゼロ経営では、「考え」→「行動し」→「行動したことで起きる変化、結果を検証し」→「次に活かす」(以下、繰り返し) このサイクルを三人寄れば文殊の知恵で行います。

このサイクルを集団の知恵で回すのが指示ゼロ経営

当然、チームが育つまでは失敗もします。しかし、自分(リーダー)がそうであったように、人は失敗を繰り返しながら成長していきます。
待てないリーダーは、指導の名のもとに、成長サイクルを止めてしまいます。
邪魔をしちゃう。
「信頼して待つ」というのは、別の言い方をすれば邪魔をしないということだと思います。

完全に指示ゼロ経営になるとリーダーの仕事は「この世にいるだけ」となります。
あるいは、新しい飯のタネを探すことを始める人もいます。

そうなったら最高ですが、チームが育つまで、特に最初の段階ではリーダー、マネージャーには別の役割があります。

それはチームを起動させること、そのためには「正直な気持ちを伝える」ということです。
これは集団を起動させるために重要な儀式で、多くの指示ゼロリーダーがやっています。
偉そうな訓示は不要。
正直な気持ちを伝えることで集団に魂が宿るのです。

立派じゃなくて良い、正直な想いが人の心に届く

今、とある企業さんの社内研修に入っています。
業種は飲食業で約30店舗を展開しています。
研修のテーマは「指示ゼロ経営マネージャーになる」です。
店舗や営業所、部署のミドルマネージャーが自分のチームで指示ゼロ経営ができるようになるための研修です。

研修プログラムの中に、集団に魂を吹き込むトレーニングがあります。
まだ指示ゼロ経営になっていないチームを起動させることを狙っているのです。
起動したら、自分たちで成長サイクルを回してもらいます。

研修では、先ほどの「正直な気持ちを伝える」というプレゼンテーションを行います。
プレゼンに慣れていない方はすごくビビるのですが、全員が心を動かすようなプレゼンができるようになります。

先日も素晴らしいプレゼンを聞くことができました。

ある店長はこんな事を伝えました。

オレは、家族連れのお客様が本当に一家団らんを楽しんでもらえる店にしたいと思っています。
メニューを見ながら「何が食べたい」なんて会話をして、「これ美味しいから食べてみな」なんて会話が弾む店にしたい。なぜオレがそう思うかというと、実は、オレは母と2人だけで暮らしてきました。決して裕福な家庭ではなかった。だから家族団らんというものをあまり経験したことがなかった。でも、たまに行く食堂で過ごす時間はとても幸せだった。その思い出が今の自分を支えています。飲食店は料理を提供するだけが仕事じゃない。人の人生を創っている。本当に家族団らんを楽しんでもらえる店にしたい。それはオレ1人ではできません。オレはこういう事をみんなに伝えるのが下手だし表現力が乏しい、だからみんなに力を貸して欲しいのです。

決してスキル的には上手ではありませんでした。
迫力があるわけでもない。
下手だけど、本当に思っている事‥正直な気持ちを伝えたのです。

僕は、心からそういう店になって欲しいと思ったし、そんな店に行きたいと思いました。
そのプレゼンを聞いた仲間たちも、少し涙を浮かべながら、真剣な目で聞いていました。

魂が宿った。

その瞬間を見たのです。

「店長、自分にできることは何でもやるよ」…そんな言葉が飛び交っていました。

チームに魂を吹き込むためにマネージャーが語っていること…
それは、御大層な演説でも訓示でもありません。
心から思っている事、正直な気持ちなのだと改めて思いました。
そして、同時に、その想いは誰の心にもあるものだと。

とても心が熱くなるプレゼンでした。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。
著書に「リーダーが『何もしない』とうまくいく」がある。

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