「仲間を助けることが得」という文化をつくる。

仲間同士、惜しみない支援をし合う組織がある一方で、仲間が困っていてもなかなか支援しない組織もあります。
後者を観察すると、メンバーに「他者を助けるのは損なこと」と考えている人が多いんですよね。
はたして、他者を助けるのは損なことなのでしょうか。
合理的に考えれば、組織が繁栄することで所属する人も恩恵を得られますし、自分が困った時に助けてもらえるわけですから、助けた方が100倍も得なはずです。

マイケル・マカローという心理学者は「親切の人類史」という書籍の中で、人類が親切行為をするのは、社会で生きる上での生存戦略だと説いています。
その損得勘定が、時間を経て本能に近いレベルで身についたのだと思います。
だから多くの人は、困っている人を見ると助けたいという気持ちが自然と起こるし、助けた時に快を感じるのです。

にも関わらず、支援が少ない組織があるのはなぜか?
マイケル・マカローによると、短期的な損得勘定が原因だと言います。長期的には助け合いが最も効率的なのに、組織が短期目標を設定しているために、メンバーが自分のことで精一杯になってしまうということです。

そりゃそうですよね。ゆとりがない状態で他者を助けると、自分の負担が激増しますので、怖くて支援できませんね。

つまり、支援は、個々の資質ではなく環境によって規定されるということ。
社員教育をする前に、環境を変えるべきなのです。

では、環境を変えればすぐに助け合いは起きるのでしょうか。
これが、日本の村社会の場合、なかなかそうはいかないのです。
というのも、村社会では「ただ乗り」を許さない空気が強く、「周りが助けるなら自分も助ける」と考える人が多いのです。
結果、互いの出方をうかがっているだけで、なかなか行動が起きないのです。

しかし、これは逆に言うと、助ける人がいれば支援行動が拡がるわけで、組織マネジメントは、そのムーブメントを後押しすることが役割だと考えます。

まずは、物事は、少数派からムーブメントが起き、徐々に賛同者が増えていきます。
多数派が動く動機は「みんながやっているから」ですので、賛同者が増えるたびに指数関数的に増えていきます。

そして、「みんな」とは、全員ではなく、自分と濃くつながった小さな世界の人間関係で十分なのです。
では、具体的にはどんな方法があるでしょうか。
その最も現実、かつ有効な方法は、リーダーが、影響力があるメンバーを味方につけ、その周囲にいる人を仲間に取り入れるというやり方です。

ムーブメントを加速する方法として、メンバーの活躍を共有する仕組み、例えば社内報などで紹介することが有効です。
ちなみに、当社では、中吊り広告風社内報「米沢自身」を毎月発行してきましたが、こんなものでも載ると嬉しいんですよね。

発行を続けるうちに、徐々に「支援は得なこと」という機運が広がっていったのを実感しています。

助け合いとは精神論ではなく「環境設計」だと考えます。
誰か一人の善意に頼るのではなく、支援が連鎖する空気をどう育てるか。
今日の記事が参考になれば幸いです。
 

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