人は「仕事がラク」だから辞めることがある。

社会全体にブラック企業に対する嫌悪が拡がっているのを受け、ホワイトアピールをする企業が増えています。
しかし、そうなったら今度は「ゆるすぎ」といって退職する人が増えているようです。
いわゆる「ゆるブラック」と言われている現象です。

数年前に、とある企業の経営幹部が「ヤル気が高い社員ほど、積極的に辞めていくんですよね」とこぼしていたことを覚えています。
その会社は一部上場企業で、平均年収は600万円以上、休日は多く、残業は少なく、福利厚生も充実している優良企業です。

厳しくすれば文句を言う。
優しくしても文句を言う。

一体、どうすれば良いか分からなくなりますよね。
これに対し「最近の若者は…」と言う人がいますが、僕は、本当にその通りだと思っています。
と言っても、ネガティブな意味ではありません。

現代の若者は、仕事に働き甲斐を求めていますし成長意欲も旺盛です。
ネットを見ると、「ラクして稼いで人生イージーモード」なんて書き込みを見ますが、それは一部の人で、真剣に生きている人は、そんな場所で書き込みすらしていません。

厚生労働省の「転職者実態調査の概況」によると、転職者が前職を辞めた理由のトップは「会社の将来に不安を感じたから」でした。

もしかすると、企業の方が時代について行けていないのかもしれません。

では、どうすれば良いのでしょうか?
その答えは、若い世代が知っています。
そう断言するのは、若い世代に聞くと明快な答えを示してくれるからです。

僕は、社内研修で「いい会社ってどんな会社?」と問うことがあります。
すると、決まって次のような意見が出ます。

・人間関係が良い。
・チームワークが良い。
・賃金が良い。
・働き甲斐がある。
・挑戦の機会が与えられている。
・成長できる。
・福利厚生が充実している。
・労働条件が良い。

これらの意見は大きく、衛生要因と動機付け要因に分けることができます。

□衛生要因
具体例:賃金や福利厚生、職場環境など。
特徴:不満足を防止できるが、満足度を高めることにはつながらない。

□動機付け要因
具体例:承認、仕事を任せられていること、仕事そのものが愉しい、達成感など。
特徴:満足度を高めるが、不満足を解消することはできない。

衛生要因を改善すると、マイナスがゼロになりますがプラスにはなりません。プラスに持っていくには、動機付け要因の充実が必要です。
また、衛生要因を改善しても動機づけ要因が上がるわけではなく、逆で、動機づけ要因を改善すると、衛生要因も良くなるという因果関係で成り立っています。

働き甲斐をもって仕事を愉しむことで創造性が発動し付加価値を生み、賃金や福利厚生が良くなるということです。

ここに「ゆるブラック」の正体を見ることができますよね。
企業側が衛生要因にばかり目を向けてきたということです。

経営者は、若者の言葉をそのまま受け取るのではなく、その奥にある「本当は何を求めているのか」に耳を傾ける必要があるのと思います。
その判断に今日の記事を参考にしていただければ幸いです。
 

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