創造的は追いかけると遠ざかる
電器店の品揃えや、街を走る自動車を見ると分かりますが、今ってメーカーによる製品の差異がほとんどないんですよね。
我が家はスズキの「ソリオ」に乗っていますが、他メーカーにも似た車が多くて、駐車場で他人の車に乗ろうとしたことが何度もありますからね(笑)

同質化の原因は「正解探し」です。
正解探しとは市場調査のことですが、今、市場調査の精度は非常に高く、しっかり調査すればどのメーカーも「同じ正解」にたどり着いてしまうのです。
しかし、経営とは本来、独自化・差別化を目指す営みですので、正解探しは、儲けの正解ではないのです。
だからこそ「創造性」の重要性が説かれるわけですが、創造性の何が難しいかというと他人がコントロールできないところにあります。
というのも、創造性は「結果」に過ぎないものだからです。
以前に、田坂広志さんのメールマガジンに、創造性に関する記事がありました。
田坂さんが喫茶店に入ると、美術大学の学生らしき2人が、「いかにして創造性を身につけるか」という議論をしていたそうです。1人は、創造性の高い作品に触れることの大切さを語っていました。もう1人は、感じる力を磨く大切さを語っていました。
その時に、田坂さんは、ふと疑問に思いました。
「はたしてピカソは“創造性”を身につけたいと思っていただろうか?」と。
おそらくピカソの中には、そうした意志はなく、全身全霊で自己表現をしていた「結果」として創造性が発動していたのではないでしょうか。
創造性が結果であることを示す実証実験もあります。
有名なところでは、動物や乗り物など、色んな形を作ることができる立体パズル「ソーマキューブ」を使った実験があります、

実験では2つのグループを作り、1つのグループには「問題が解けたら報酬を支払う」と伝えました。一方のグループには報酬は提示しません。
実験の終了後に、主催者が「ちょっと用事があって出かけるけど、部屋から出なければ何をしても良いよ」と伝え退室しました。
実は、主催者は、自分がいない間の被験者の行動を観察していたのです。
観察の結果、グループ間に明らかな行動の違いが見られました。
「報酬あり」のグループでは、多くの人が雑誌を読んだり遊んだりしていた。
「報酬なし」のグループでは、その間も熱心にソーマキューブに取り組んでいた。
「報酬あり」のグループは報酬をもらったことで目的が達成した、あるいは報酬がもらえなかった=おしまいと考えため解くのをやめてしまったのです。
一方、報酬なしのグループは純粋な興味で取り組んでいるので、いつまでも取り組んだということです。
創造性は、他人によるコントロールで霧散してしまうわけですが、翻せば、ビジネスの世界は、「どうすれば◯◯ができるか?」と事象をコントロールすることばかり考えていますね。
自分の力で道を切り開く…従来の美徳が、こと創造性に関しては仇になります。
リーダーにできることは、夢中になれる環境を整えること。
う〜ん。現代ビジネスは難しい、しかしだからこそ面白いと思うのです。
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