社員に報われない努力をさせない。

先日、「社員のトリセツをつくる」という記事を書きました。
人の能力はパズルのようなもので、1人1人「カタチ」が違います。それらを上手に組み合わせて組織の絵を描くのが「適材適所」で、そのためには、社員個々の能力のカタチを知るトリセツが必要という話でした。

今日の記事は、一歩進んで「努力至上主義」の危険性について書きたいと思います。
私たちは、努力をとても称賛します。
しかし、それがもし「別のカタチになる努力」だとしたら逆効果かもしれません。
「努力は報われる」「努力は裏切らない」「努力に勝る才能なし」などの言葉を無条件に受け入れるのは危険だと思います。

適材適所とは、「人材の能力・特性を正しく評価して、ふさわしい地位・仕事につけること」ですあり、適所に合わせ能力を変えることではありません。

よく「磨けば光る」と言いますよね。
辞書を引くと、「素質がないと思われている人でも努力を続けることで優れた人物になる」とありますが、そもそも素養のない部分を磨いても、すり減るだけだと思います。

「磨けば光るものを磨く」というのが正しいアプローチだと考えるのです。

僕は決して、努力を否定しているわけではありません。
成功した人は例外なく努力をしています。しかし、それは「努力をすれば成功する」ということではなく「努力なしには成功しない」ということ…つまり磨けば光るものを磨く努力が大切だと考えているのです。

このことを、アンディ・ウォーホルは「しかるべき時に、しかるべき場所にいること」と述べています。

「しかる場所」とは、その仕事に求められる資質と、自分が持っている資質がマッチしている場を指します。

これを経営の実務で実践している企業があります。
ホワイト企業大賞の応募企業で、僕が経営者と社員さん双方にインタビューを行いました。
その会社では、ジョブローテーションといって、社員に色んな部署を経験させ、総合的なスキルを身につけさせる人事制度を採用しています。
その狙いは、特定の人しかできない仕事をなくすことで…①離職時のリスクを軽減する。②業務に滞りが発生した時にヘルプに入ることを狙っています。

社員さんへのインタビューを通じ、これらの効果以外にも、適材適所に大きく貢献していることが分かりました。
同社では、ジョブローテーションにより、かなり早い段階で早い段階で適材適所が実現していたのです。

社員さんの様子は非常に自然体で、しかるべき場所にいる…例えるならば「魚が丘ではなく、ちゃんと水にいる」という感じでした。

努力は、別のものになるためではなく、しかるべき場所で光るために行うべきだと思うのです。
それは経営の効率化だけでなく、その人が、その人らしく健全でいられるために大切なことだと思います。

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