儲けと幸せは表裏一体。シャネルの言葉に学ぶビジネスの本質

世の中には「ビジネスの目的は儲けである」という主張と「儲けがなくても幸せなら良い」という主張の二項対立があります。

主張が対立すると、必ず第三の主張が生まれるもので「どちらも大事」「幸福のためには儲けが欠かせない」といった主張をする人もいます。

どの主張が正しいのでしょうか。

僕は「どれでもない」と考えています。
これらの主張は、儲けと幸福を「アレとコレ」と2つに分けていることが問題だと思うのです。
そうではなく統合するものと考えているのです。

このことを紐解くにあたり、シャネルの創業者であるココ・シャネルの言葉が参考になります。

利益とは、自分たちが生み出した『価値』の物質的証拠である。

当然のことを言ってると感じかもしれませんが、「価値」を「付加価値」と解釈すると経済学的に非常に合理な考え方なのです。

言葉の意味で解釈すると、付加価値は「付け加えられた価値」ということになりますが、経済学では「儲け」(粗利益)を指します。

このことをケーキ屋さんで考えてみましょう。
ある地域にA店とB店があり、A店ではホールケーキを6,600円で、B店では6,000円で売っています。
A店で1割も高く売れる理由は「美味しい」「見た目がオシャレ」「販促企画が魅力的」といった要因ですが、実は両店とも、原材料はほぼ同じものを使っているのです。
同じ原材料を使っているのに、A店の手にかかると凄いケーキになる。

原材料費を2,000円とすると、A店では4,600円、B店では4,000円の儲け(粗利益)が出ます。

両店の「1個あたりの儲けの差」は、原材料につけ加えた「付け加えた価値の差」ということになります。
付加価値=儲け(粗利益)というのはこういうことです。

ココ・シャネルの言葉は経済学の原則を人文学的に表現しているのです。

重要なのはここからです。
付加価値の源泉は何かというと「人間の創造性」です。同じ原材料を使っても、作り手の創意工夫で見た目や味が変わるわけですから。
そして、創造性とは「その人の個性の結晶」と解釈することができます。「自分自身」と言っても過言ではない。

さらに、いくら自分で「ウチの商品は付加価値が高い」と言っても、それを買ってくれるお客様がいないと儲けは生まれません。

ということで、次の公式が成り立ちます。

個性の結晶→創造性+他者の評価=付加価値

「フロー」の研究で有名な、ミハイ・チクセントミハイは、人は物事に深く集中し創造性を発揮している時に、なんとも言えない愉悦、幸福感を覚えると言います。

このように考えると「儲けは現象である」と捉えるほうが納得感があると思うのです。

一方で「儲けがなくても幸せなら良い」という主張もダメですね。
幸福に働けているのなら、公式に則って付加価値が生み出されなければ空虚と言う他はありませんし、儲けがなければ創造性を磨く自己投資が十分にできなくなります。

儲けと幸福を「アレとコレ」と2つに分けるのではなく、1つの因果律の中に位置づけることが大切だと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
 
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