混乱は組織の成長痛…自由闊達なチームの前に立ちはだかる壁とは?
自由闊達な組織を作りたいと思うなら、組織成長のプロセスを知ることが大切だと考えています。
組織は、大きく分けて4つの状態があります。
「独裁」「村社会」「混乱」「創発」
後で詳しく説明しますが、組織が自由闊達になる前には、一時的に混乱することがあります。混乱は自由闊達の通過儀礼なのですが、そうと知らないと、組織が悪くなっていると勘違いしてしまうんですよね。
知っていれば「ああ、今、混乱期なのね」と余裕をもって構えることができます。
というわけで、今日は組織成長のプロセスを考察したいと思います。
組織の成長には「三猿」が深く関連しています。
三猿とは、日光東照宮などにいる「見ざる、言わざる、聞かざる」の3匹の猿です。
リーダーがメンバーの意見を「聞かざる」になるとともに、メンバーが言うべきことを「言わざる」になると、組織は独裁状態になります。
独裁経営は、悪い経営の象徴にように扱われていますが、実はそんなことはなく、創業期や非常時には有効なリーダーシップなのです。
しかし、多様性の時代において変化し続けることは難しく、やがて限界を迎えることになります。
次に、「見ざる」「言わざる」に取り憑かれた組織を見てみましょう。
リーダーもメンバーも、みんな問題に蓋をして「見ざる」になり、言うべきことを言わない「言わざる」になると、組織は村社会になります。
日本企業に多いと言われますが、村社会型の組織では最大公約数的な、無難でつまらないアイデアしか出すことができません。
組織成長の最初のマイルストーンは「三猿からの脱却」ということになりますが、実は、猿によって脱却の難易度が違います。
「見ざる」「言わざる」よりも「聞かざる」の方が難しいのです。
多くの組織が、まず「見ざる」「言わざる」から脱却していきます。
つまり、問題を直視し、言うべきことを言う。…すると、冒頭に書いた「混乱」に陥ります。混乱状態は、誰が見ても良くない状態に映りますし、ストレスがかかるので、組織が悪化していると思ってしまいますが、そうではありません。
良くなる直前の「夜明け前は一番暗い」という状態なのです。
ここに最後の1匹…「聞かざる」」から脱却し、仲間の意見に耳を傾けることができるようになると、自由で建設的な組織「創発型」に昇華します。「聞かざる」からの脱却は、特にリーダーに必要な要件であることは言うまでもありません。
創発型では、しっかりと議論をして意思決定するので、多数決がほとんどないことが特徴です。
A案かB案か、どちらかを決めなければならない場合でも、メンバーみんなが議論に参画しているので納得度が高くなります。
また、ワイワイガヤガヤと話をしているうちに、アイデアがアイデアを呼び、誰も想像だにしなかった、新しいC案が生まれ落ちることもあります。
「独裁」「村社会」「混乱」「創発」…今、あなたの組織はどの状態にあるでしょうか。
組織成長のプロセスを知ると、次のマイルストーンと、そこに行くための要件が見えてくるのではないでしょうか。
いずれにせよ、最終的には、リーダーが「聞かざる」から脱却しないと理想形には到達しません。
耳を澄ませ、仲間の声に真摯に向き合うことが、組織変革の鍵となることは間違いないと考えています。
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