カルロス・ゴーン氏に学ぶ、組織のステージ別の対応策

日産自動車のカルロス・ゴーンさんが逮捕されました。
2001年にCEOに就任し「日産リバイバルプラン」を立ち上げ、見事な豪腕を発揮しました。それが、有価証券報告書に実際よりも低い役員報酬を記載したとして逮捕…
色んな憶測が飛び交っていますが、とても残念です。

僕はゴーンさんから多くを学びました。
就任最初は、後継社長が組織改革をする際の心得を、そして終盤では、次のリーダシップスタイルへ変える必要性を。
組織の成長ステージに合わせ柔軟に変えていく、そんなスタンスが必要だったのでは?
そう思います。

改革は新社長が就任してすぐに実行すべし

「現場生え抜きの社長ほど組織改革ができない」…そんな話を聞いたことがあります。
行動経済学の研究知見なのですが、現場生え抜きの人間は社内に友人が多くいます。
彼らからの人望を集め出世した人が多いのですが、改革をする際には「しがらみ」が邪魔をするそうです。
行動経済学では「取引コスト」と言います。
簡単に言うと、改革には痛みを伴いますが、その人間関係、利害関係の調整には多大な労力が要ります。
「労」とは人間が感じるもので、人間関係がある人ほど労を感じるものです。
それが億劫になり思い切った改革を躊躇してしまうというものです。

日産自動車では、何のしがらみもなく突然来た、言葉も目の色も違うCEOだから改革ができたのだと思います。

僕はゴーンさんの姿に励まされました。
僕が社長に就任したのは1995年でした。当時の弊社は家業の延長で経営をしていました。
風土としてはそれでも良いのですが労働条件などでは改革が求められました。
例えば、新聞配達員には月に1度の休刊日しか休みがありませんでした。
当然ながら、それが人手不足の原因になっていました。

僕は、父の急逝で突然社長に就任したボンボンです。
週休体制をつくることは、そんな僕だったからできたのだと思います。
休みが増えれば当然、給与も減ります。
批判もありました。でも、折衷案など考えられませんでした。やるか否か?です。

もし、これが10年もしてから着手したら取引コストがかかり、実行しなかったかもしれません。
後継者が改革をする時には、出来るだけ早い段階でやる…これがゴーンさんから学んだことです。
(た)改革に成功したら次のステージに向けた準備をする

ゴーンさんは改革のパワーだけでなくカリスマ的な経営センスと実力を持った人なのだと思います。
再生した後もリーダシップを発揮し、結果にコミットした経営を続けました。
カリスマゆえにトップダウンが有効だったのですが、それが今回の事件に繋がったのだと思います。

これも後継社長が抱える課題だと思います。
改革は早い段階で断行する必要がありますが、その後、カリスマに依存しない経営にシフトすることが求められると考えます。
その理由は、不正うんぬんではなく、継続して正解を示し続けることは難しいからです。

後継社長の多くが改革後に大きな壁にぶち当たります。
成熟産業の会社に多いのですが、「これから何をやったら良いか分からない」という壁です。
改革は合理・効率の領域ですが創造は感性の領域です。

そこにシフトする道の1つが「集団の知恵を活用した経営」です。三人寄れば文殊の知恵です。
これを実践するには2つの方法があると考えています。
1つは、社長を交代すること
もう1つは、人間を変えること

人間を変えるとは、トップダウンの支配型人間をやめ集合知の経営者になることです。
でも、そんなに簡単に人間が変わるわけがありません。
簡単には行きません。
集合知の経営へのシフトに成功した方のほとんどは、変わる前に心の葛藤を経験しています。
失敗だったり業績不振などです。

変わるキッカケは「もうこれ以上、自分の力だけで会社を成長させられない」と諦めた時だと思います。
諦めの語源は「明らかにする」だそうで、諦めた時、現実を受け入れた時に明らかになるものがあるのだと思います。

後継社長の仕事は本当に困難の連続だ…ゴーンさんのニュースを見てそんなことを感じたのです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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