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不親切は究極の親切 〜不親切な研修の方が社員はよく育つ〜

親切、分かりやすいは相手の考える余地を奪う

学習効果は、どれだけ自分が積極的に参画したか?に比例します。
だから、研修は「よく作り込まれていない方が良い」と考えるのです。
特にテキストや資料は「見ただけじゃ分からない」「何が書いてあるのか不明」そのくらいが理想だと思う。
 
え!?なんで?って思うでしょ?
その理由は、しっかりと作り込まれ、分かりやすく、親切で完成度の高いものは、受講者の考える余地が少ないからです。
深く考えなくても理解できるものは、実は吸収が悪い。
 
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例えばね、外国製の電化製品の取説で、日本語訳が分かりづらいものってありますよね?
取説が頼りにならないから自分で考えるしかない。
そういう時の方が理解が深まることってないですか?
 
他にも、学生時代、成績の良いヤツのノートって、黒板のコピーじゃなく、自分オリジナルのノートになっています。
自分なりに考えたことが書かれているんだよね。
 
他にも、企業の創業時はみんなが徒手空拳でがんばります。
何が正解か?なんてやってみなければ分からない。
社長も社員も関係なく「どうしようか?」と話し合いの中で進めるので、完成された教育プログラムなんてありません。
でも、その状況が一番、人が育ちます。
 
僕は、研修でテキストを使う方ですが、テキストの編集ってすごく頭を使うんですよ。
で、作ってみるとすごく理解が深まるんだよね。
だから思ったんです。
受講者がオリジナルのテキストを作れるようなスタイルにした方がいいって。
「何も書かれていない」これが理想だな(笑)…いや、マジで。
 
分かりますかね?
親切が、相手の考える余地を奪っていることがあるんです。

人は「教え育む」よりも「教わり育つ」で成長する

人材育成には2つの考え方があります。
1つは「教え育む」
もう1つは「教わり育つ」です。
前者は受け身なのであまり良く育ちませんが、知らないものは教えなければ始まらないので必要です。
後者は能動的なのでよく育ちます。
 
この2つをミックスするとさらに良く育つと考えています。
どういう事かと言うと、上司や教育係は中に入らずに、仲間同士で「教え合い、学び合う」というスタイルです。
社内に知っている人間が上司1人だけだったら例外ですが、そういうケースは稀だと思います。
 
知っている先輩がいるなら彼らが後輩、新人さんを教える。
 
ちなみに僕の会社ではそのスタイルです。
キッチリしたテキストをつくる余裕がないので必然的にそうなったのですが…(笑)
 
ただし、作法があります。
まずは出来映えです。
上司や教育担当者は基本、人材育成の成功基準を持って教育にあたります。
例えば「筆記試験で全員が◯◯点以上」とかね。
 
だから学び合う場合も全員に対し全体の成功基準…「出来映え」を設定することが大切だと考えます。
これがないとダラダラするし、上司の期待と出来映えが一致しないとトラブルになりかねませんから。
 
それと期日の設定です。
「いつまでに」ってこと。
 
テキストの各項目のページに、出来映えと期日だけが書いてある、そんな不親切なつくりが良いと思います。
 
「◯月◯日までに、全員が◯◯の知識を習得している」「なお、習得とは筆記試験で全員が◯◯点以上を獲得することを示す」と。
 
分かりやすいというのは相手の考える余地を奪う危険性がある。
だから、不親切というは究極の親切なのだと思います。
 
それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。
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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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