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数値ではなく、感覚を企業の目標にする経営

モノを供給する工業社会から、生活者の心を満たす感性社会に本格的に移ったことを実感する出来事がありました。

トヨタ自動車の豊田章男社長が、東京モーターショーの記者会見でこう言いました。

「Biggest(最大)になるより、世の中からGreatest(最高)と言っていただくほうが将来性がある」

最大というのはモノの販売個数の話です。
最高というのは、お客様が感じる幸せです。

akio

時代は変わりましたよね。
規模の拡大から質への転換を宣言したと言っても過言じゃない。
しかも、一部上場企業で、この決断は影響が大きいと思う。

世界規模の大企業が数値化できない感性を行動指針にするというは事件ですね。
本格的に感性社会に突入したと言っても良いと思います。

それに伴い、人材育成や組織づくりが変わる、今日はそんな記事です。

欲しいものがない時代の商品開発

こうした決断の背景には、大量生産・大量消費の時代…モノの供給に限界が出ているからです。「もう欲しいものが分からない」ってみんな思っていますよね?

これからクリスマスシーズンですが、僕が子どもの頃って、みんな同じようなものが欲しかった。CMで見た、あの超合金が欲しかった。
近所のおもちゃ屋さんが言っていましたが、クリスマス前に何を仕入れればいいか把握できたそうです。
でも、今は人によって違うし、もっと言えば、子どもに「何が欲しい?」と聞いてもすぐに答えが返ってこないのです。
それは欲しいものがあり過ぎるからではなく、特段、欲しいものが思い浮かばないから。

だから、企業は単にモノを作って売るのではなく、より生活者が「こういうのが欲しかったの!」と心を躍らすようなものを開発をしなきゃいけないわけです。
それが何であるかはお客様も気づいていないことが多いのです。

難しい時代だよね?

定量化できないことを共有するには

さて、感性社会の経営で一番難しいのは、目指す「感性目標」…出来映えを社内で共有することです。
数値化されたものは共有がカンタンですが、感覚の場合人によって感じ方が違います。

「最高」の定義は十人十色ですよね?

それを共有するには時間もかかるし、誤解の修正が多く、すごく根気が要る作業だと思います

例えば、自動車メーカーのマツダのミッションは「笑顔になれるクルマをつくること」
以前に販売台数の目標を掲げたことによる失敗から方針を180度転換しました。

マツダが考える運転の悦びを社内で相当に議論したと言います。
それはフィーリングだから、対話に対話を重ねてようやくイメージが立ち現われてくるものです。一方的に指導して理解されるものじゃない。
いかに社員みんなが議論に参画するかが鍵を握ります。

従来のマネジメントとは大きく変わります。

議論の末に鮮明なイメージができ、そこで初めて数値化が始まります。
重量や排気量、馬力といったスペックです。

販売する社員も、お客様にスペックを伝えても売れない、まして「笑顔になれますよ〜」なんて言ったら怪しい(笑)
だから、お客様と感性を共有することが求められます。

例えば、試乗してもらって、加速した瞬間に社員さんが「お客さん、ここよ!気持ちいいでしょ?」なんて世界です(笑)

いやマジで。

モノを作って売る時代とはやり方が大きく変わります。
社内での対話、お客様との対話。

モノから人へ視点が変わると考えています。

う〜ん、難しい、でも楽しい世界ですね。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

 

 

 

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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