問題社員は『いる』のではなく実は『つくり出している』可能性を疑う

あなたの会社に問題社員はいない。つくり出しているだけかもしれない。

以前に、ある社長から、よくこんな相談を受けました。
「ウチのスタッフのKちゃんに困っているんです。仲間の輪に入ってこないんです。もっと積極的にコミュニケーションして欲しい」

これを聞いた時は酔っ払っていたので(笑)「それは困ったね〜」としか言いませんでしたが、とても重要なこと、そして同じような悩みはどの職場にもあると思いますので、今日の記事にしました。

Kちゃんは果たして問題社員なのか?

僕は、その子(Kちゃん)は輪の中に入ってこないのではなく「輪から排除されている」と考えています。
悪質なイジメとは違いますよ。

どういう事かというと、「輪に入らないのはマズいこと」という認識がチームにあり「だから彼女は困る」というのは排除なのです。
輪の中に入るように勧めているようで排除なのです。
社長が描いている輪が小さいのです。
ピンと来てますか?

こういうと分かりやすいかもしれません。
まわりの人が「Kちゃんはコミュニケーションが苦手」と彼女の個性を尊重すれば、輪の中に入ることを強要しません。
強要というと少し強い言い方ですが、「やんわりとした強要」「そういう雰囲気」も強制力がありますからね。

輪の中に入らないことを許容すること…大きな輪を描くことが「Kちゃんが輪の中に入れる」ということで、それが本当の和だと考えるのです。

人の集団には、一定の割合で「ギャラリー役」がいます。縁の下の力持ちです。
いて自然、いて健全な集団です。
ところが一見して積極的に行動している人だけで輪をつくってしまい、ギャラリー役を排除してしまうことがあります。

ギャラリー役も含め輪だと観る視点が大切だと考えています。
そして、それができる集団は互いの強みを活かし合うことができます。

問題社員は「いる」のではなく「つくられる」

自律型組織の強みは、互いが互いの個性を受け入れ、頼りにすることで弱点の克服を行えることにあります。
自分が苦手なことを仲間が補ってくれる…それが同時多発的に、しかも誰の指示を受けるわけでもなくやります。

そのためには、他者への許容が必要ですよね?
「Kちゃんは、仕事をすごく慎重に行い、1人でコツコツやるのが得意」
彼女のことを詳しく知っている訳じゃないので推測ですが、もしこのように捉え、その力を貸して欲しいと言い合えるチームになったら素晴らしいですよね?

多分、チームの中には「アクティブで友好的、でも細かな仕事が苦手」という人がいると思います。
この2人が支援し合えば良いだけだと思います。
Kちゃんから積極的に声をかけることはないかもしれませんが、それでもいい。
チームとして成果を上げればいいわけだから、それが一番の近道だと考えます。

組織の人間関係に関する問題の厄介なところは、誰か1人の問題者をつくることです。
問題者だらけ、という組織は珍しいですよね?
多くの場合、多数の常識人と1人の問題者という構成になっているのは、自分の保身・保全を行うために1人に矛先を向けるからです。
ダメなアイツがいると安心すると言うのが人間です。

「問題社員がいる」ではなく「問題社員をつくる」

しかも、それを無意識で行っているから怖いのです。

そうなると、仮に問題者が辞めても、新たに次の問題者をつくり出します。
なぜならば、自分に矛先が向かないように、みんなで誰かを問題者にする努力(?)をするから。
次から次へと…そして、いつかは自分かもしれません。
怖い話ですが、リーダーがその立場に陥っていることもあります。

良い部分も悪い部分、マルっと個性として許容する。
そして、みんなが「チームとして成果を上げる」という意識を持つことで、自律的な支え合いが起きると考えています。

別にキレイ事ではなく、組織活性の実務なのです。

では、今日も素敵な1日をお過ごしください!

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