部下との共依存関係を断ち切ると互いに成長し仕事が愉しくなる

多くのリーダーが、成長過程で経験するのが「抱え込みすぎ」です。
なかなか部下が育たず、一生懸命に1人1人と関わりがんじがらめになっちゃうんだよね。
自分も楽しくないし、やりたいことができない。
そして部下はさらに依存してきます。
リーダーの通過儀礼だと思いますが、ここは正念場。
これを乗り越えると自分も部下もチームも加速度的に成長していくはずです。

今日は、弱冠21歳で次のステージに立った女性の事例から考えたいと思います。

部下に任せられないと様々な問題、ストレスが発生する

任せるという行為は「卵が先か鶏が先か」の話に似ています。
育ったから任せるのか?
任せるから育つのか?
僕は、その両方だと考えていますが、もし「まだまだ任せられない」と感じていたら、それがずっと続くと思います。
「任せられないから指示を出す」→「指示待ちになる」→「育たない」→「任せられないから指示を出す」
この悪循環に陥る危険性があります。

ただし、この世の理は良くできていて、そんな時は神様が課題というギフトを投げかけてくれます。
それは数値に表れたり、リーダーや部下のストレスとなって表れることもある。
課題は成長・変容のチャンスなので、これを活用しない手はありません。
逆に、そう思った時には、不思議なもので「偶然」というカタチで学びのチャンスが訪れることがあります。

先日、お邪魔した企業でもそんなことがありました。
それが冒頭の21歳の女性、美智さんです。
彼女は、アイビー化粧品の販社「アイビー リールリール」のスタッフさんで部下が数名います。

僕が初めて美智さんに会ったのは今年の1月に行われた指示ゼロ経営ベーシックセミナーでした。
販社長の関口敏江さんが以前に受講してくださり本格的に指示ゼロ経営を導入しようとスタッフさんを連れて再受講されました。
関口さんが指示ゼロ経営を体験されたブログがすごく分かりやすいです。

それからわずか3ヶ月後、美智さんはスランプに陥りました。
関口さんが「なんだか楽しそうじゃない」「元気がない」と気づいたのです。
そして、たったひとことヒントだけ与えました。
「ひとりで抱え込まなくても良いんじゃないの?」
これですわ!
指示ゼロ経営の原則は「問いは投げるが答は出さない」ですからね。

実は、これまで美智さんの魅力に共感した人たちが顧客になり部下になってくれていました。
彼女が楽しんでいないのは大きな損失だと考えたのです。

共依存関係を断ち切り、互いに成長し仕事を愉しむ

楽しくない原因は、部下の指導やお膳立てをひとりで抱え込んでいたからです。
その結果、自分が好きな仕事ができなくなっていた。
自分が輝くことがよい結果に繋がる…そこで指示ゼロ経営を導入しました。

導入の動機が素晴らしいのです。
指導を抱え込むと共依存になり、結果自分だけじゃなく部下も輝かない、そうすると部下の輝きに共感して出会うはずの人も幸せにならないと「その先の人」のことまで考えた上での決断でした。
凄くないですか?

部下にそのことを伝え、こう言いました。
「私にはやりたい仕事があるから、みんなも自分たちで考えて。何かあったら相談に乗るから」
非常に分かりやすい伝え方です。
自分に正直、純粋ですよね?
これは同時に「みんなは自分の力で輝くことができる」という信頼の表れでもあります。

そしてどうなったのか?
これまで1人1人を指導していたのが、部下同士で学び合ったり助け合ったりするようになりました。
「何かあったら相談に来る」と思っていましたが、来るのは事後報告で、それらは美智さんも驚くような素晴らしい判断だったそうです。

これは、これまでの丁寧な指導の賜物だと僕は考えています。
まったく力のない部下たちにこれをやったら酷いことになったかもしれません。

「手取り足取り指導していたのをやめて、見守ることに徹した」…美智さんとチームに変容が起きた瞬間です。

その後、みんなで創り上げる醍醐味を知ったチームは、何かを発案する時には創発(ワイガヤ)をするようになり、素晴らしい仕事をするようになりました。


商品ではなく人にフォーカスしたチラシをみんなでつくる

人が変容を起こし次のステージに乗る時には、不調と出会いと師の存在があると思います。
たまたま指示ゼロ経営セミナーに出会った。
部下の指導を抱え込みスランプに陥った。
師である関口さんからヒントをもらった。

美智さんが登ったステージは、彼女のためのものでもありますが、本質的には彼女に出会うべき多くの人たちのものだと僕は捉えています。

「心身ともに輝く人を、たくさんつくる自らも輝く人」

きっと、多くの人たちにとって、なくてはならない存在になると思う、そんな予感を感じずにはいられません。

それでは今日も輝かしい1日をお過ごしください!

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