明確な意図を持って仕掛ける「たくらみ」がある企業になろう!

業績の良い企業は、ほぼ例外なく意図をもって仕掛けています。
僕はその状態を「たくらんでいる」と表現しています。
「これと、これと、これをやったら…フフフっ、安く見積もっても蔵が建つな」というワクワクするたくらみです。
さらに、たくらみを社長が立てて社員に指示するのではなく、最初の段階から社員が参画しています。
社員は「未来はこうなる!」という確かな予感を持って仕事をしているか?
そうなれば社員は仕事に夢中になるし、言われなくても動くようになりますよね。
 
企業には「たくらみ」が必要。
どうすればそういう会社になるか、今日はそんな事を考えたいと思います。

業務連絡の順番は「社長→社員」ではなく「社員→社長」

今月、「たくらみ屋」という会社を立ち上げます。
一応、秘密結社ってことになってるんですですが…
taku
5人の構成員でたくらみについてたくらむ
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たくらみがある会社では、日常的にこんな風景が見られます。
 
朝、社長が会社に来ると社員から報告を受けます。
「昨日、◯◯な問題が起きたんですが、みんなで話し合い、原因の解明は終わっています。で、Aさんがリーダーになり、BさんとCさんがお客様対応担当になり、みんなで作業工程の見直しをして解決と再発防止にあたっています。結果はまた報告しますね!」
 
他にも…
社員から「社長、1週間前の会議で、こんな製品を開発しようという案ができました。きっと、お客様、喜んで買ってくれると思いますよ」と報告が上がり、聞いたら社長も驚くような創造的なアイデアだった。
さらに、「すでに、製品化の実現性を検討してもらうために次週の会議に製造から◯◯さんと◯◯さんが参加、営業からも◯◯さん以下、3人来るそうです。」
 
要するに、社長が発破をかけなくても社員が攻めている状態です。
 
一方で、社員がいつも仕事に追われている会社もあります。
社長ばかりが張り切って色々とアイデアを練り、目標を決める。
社員はそれに引きずられ、自発的に動かないから社長が指示を出す。
いちいち社長が指示を出すので社員は「また社長、違うことを言い出した」となる。
順番がいつも「社長→社員」なのです。
 
それが「社員→社長」となったら、会社はものすごい勢いで仕事を進めます。
 
じゃあ、どうすればそういう状態になるかに話を進めます。

たくらみに満ちた企業になる3つの基本要件

みんなが達成を望むビジョンがある。それを社員参加で創っている

年商10億円とか業界シェアNo.1といったものはビジョンではなく目標です。
目を閉じれば未来の場面が浮かんできて思わずワクワクしてしまうものがビジョンです。
年商10億円を達成した時に、お客様にどんな価値を届けているか?自分たちがどうなっているか?
自分たちが誰かの役に立ち、喜んでいる場面がイメージできて、初めてそれを実現したいという意志が生まれます。
しかも、それを社長に一方的に与えられるのではなく、社員みんなが参画して創ることが大切です。
人によって何に喜びを感じるかは違いますので、社長が描くビジョンが必ずしも社員の心に届くとは限りません。
人によっては年収が上がることかも知れないし、自分を馬鹿にしたヤツをギャフンと言わせる事に動機付けされる人がいるかも知れない。
みんなが自分の思いをぶつける事ができる仕組みが大切です。
 
そもそも社員は会社のために働いているわけではありません。
自分の幸せな人生のために仕事を活用しているのです。
だから、社員1人1人の幸せを経営の目的に置いている企業だけが、真に自発的な社員を育てることができると考えています。
1人1人が仕事を通じて幸せな人生を送るためには組織の目的達成が必要だという共通認識が必要です。
ビジョンですら目的ではなく手段なのです。

賃金のルールがあり、どれだけ儲かったらどれだけ賃金(賞与)に反映されるかが分かる。

決算書の公開をもとに、どれだけ儲かったらどれだけ社員に還元されるか分かるルールがあると、社員は自らそれを掴みに行きます。
逆に、それらが社長の胸三寸だと、社員のヤル気は不完全燃焼を起こします。
社長のコントロール下ではなく自分たちで挑戦できる仕組みが必要です。
良い結果も悪い結果も、自分たちで自己評価できることが大切です。
 
これに関してはこの記事を参考にしてください。

全員が成功物語のキャストになり、やり方を自分たちで決めている

描いたビジョンは何をすれば実現するか?…シナリオを社員参加で創ると自発性が上がるし、誰が何を担当するか、役割も自分たちで決められるようになります。
もちろん、そこには技術(マーケティングや生産管理など)が要りますが、それを社員が習得し、社長ではなく社員が司会をやり進めていくことで完全に自分事になります。
ただし、これにはビジョンづくりへの参画が前提になります。
 
シナリオづくりに参画すると、一部の優秀な社員だけが全体を引っ張るという構図ではなく、全社員が、何らかの役割を担い、物語の役者になっていることを全員が認識します。
その認識ができると、全員ができるように活発に学び合いをするようになります。
 
ビジョンの策定もシナリオづくりも、社員の参画が鍵を握りますが、最初から全員が参画することはまずありません。
最初に、少数派(イノベーター)が動き出し、彼らの姿を見て多数派が動き出します。
集団にムーブメントが起きるのです。
まずは全体の2割が動くことを目標にし、彼らの楽しんでいる姿をみんなに紹介し、徐々に賛同者を増やしていきます。
そして、4割に伝播したら後は勝手にムーブメントが広がり、最終的に8割が自らの意志で関わっているという理想形に到達します。
 
仕事が「たくらみ」になっている。
社員が企業の成功物語の役者になっている。
 
劇団のような会社が今の時代に成長する、本当にそう思います。
 
それでは今週も仕事をたくらみましょうね!