どうする社長?日本人の仕事への熱意は、世界で下から2番目だってよ

「5時から男」という言葉を覚えていますか?
時はバブル期、ドリンク剤のCMで、高田純次さんが演じる会社員が就業時間になると元気になる様子を表現した言葉です。
1988年の流行語大賞に選ばれました。

呑気な時代だったな…そう懐かしんでいたら、今でも日本人の働き方は変わっていないことを示すデータに出会いました。

厚労省の調査によると、日本企業には、エンゲージメント(仕事に対する熱意)が高い従業員が5%しかいないことが明らかになりました。世界平均の5分の1、米国・カナダのおよそ7分の1、中国の3分の1、韓国の2分の1、調査対象129カ国中128位という惨憺たる結果でした。

「日本は集団主義社会で、控え目だから」という指摘がありますが、同じような文化の韓国との差が大きいところを見ると、それ以外の原因があることが考えられます。

故・アントニオ猪木さんは「元気があれば何でもできる」と言いましたが、元気、ヤル気、熱意を失った日本人に未来はあるのか?と心配になります。

僕は、使う言葉から変えた方が良いと考えています。

「労働」「勤怠」「従業員」

労働という言葉からは、虐げられている奴隷のような印象を持つのは僕だけでしょうか?
勤怠は、真面目に働いたか?怠けたか?のチェックの意味合いを感じます。
従業員は「他者が決めた業務に従う」という印象を受けます。

まずは従業員という言葉から変えたいと思っています。
これまでの労働者は、まさに従業員でした。リーダーのアイデア・プランを部下が実行するという関係性でした。
部下は、実行した結果を上司に報告し、上司はそれをもとに計画を修正し、再び部下に指示を出します。

「計画はリーダー」→「実行は部下」→「修正はリーダー」という構図では、部下は「やらされ」になり仕事を自分事にすることが難しくなります。
人は参画しないと物事を自分事にしません。従業員から脱しないとエンゲージメントは高まらないと考えるのです。
そのためには、計画・実行・修正の一連をセットで行うことが欠かせません。

一連をセットを、僕は「ひとしごと」と呼んでいます。
「計画は自分たち」→「実行も自分たち」→「修正も自分たち」という構図です。

「ひとしごと」ができるようになると、やがて自ら仕事を創造する「仕事の主(あるじ)」に変身します。

「ひとしごと」は社員の関心事をテーマに始めるのが良いと考えています。
僕が経営してきた新聞店で最初に取り組んだテーマは、「子どもの行事の時は早退、もしくは休みを取りたい」というものでした。

このテーマに対し3人のチームをつくり、対策を立てました。
その際に、欠かせない視点は、「マイナス面を考慮する」というものです。何も工夫せずに早退したら、仲間の負担が増えるし、お客様から急な問い合わせがきた時に対応できず、お客様にも仲間に迷惑かかります。

そこで、業務の標準化を行い、見事に望みを実現したのです。

マイナス面を考え、対策を立てることができれば、社員は、自分たちの手で働きやすい職場を作ることができます。

身近な関心ごとから始めて、慣れてきたら経営計画などに広げていくと良いと思います。

「ひとしごと」できる仕事の主になれれば、エンゲージメントは必ず高まるはずです。
是非、挑戦してみて下さい。

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