ピラミッド型組織は「詰まり」敗者を生む宿命にある

久しぶりに旧友と飲みました。
彼は、大学を卒業後、大手メーカーに就職しました。時代は、バブル経済が崩壊した数年後です。
まさか、この時期から「失われた30年」が始まるなんて、誰も想像だにしなかった頃です。
彼は、「どうせ働くならトップに登りつめてやる」と意気込んでいました。

しかし、久しぶりに会った彼は、すっかり意気消沈していました。
その理由は、「肩たたき」にあったからだと言います。

50歳以上を対象に、2つの選択肢が提示されたと言います。
1つは、早期退職です。応じれば、割増の退職金がもらえるとのことです。
もう1つは、賃金をカットされるが残るという選択肢です。

友人は、「これまで頑張って会社に貢献してきたのに、ひどい仕打ちだ」と怒っていました。
でも、「会社の事情も分からないわけではない」とも言っていました。
会社の事情とは、株主優先の利益計画です。
そんな事情、僕は理解できなかったですがね。

結局、友人は会社に残る選択をしました。
今、退職しても再就職は難しいし、起業なんて異次元の世界だと考えたからです。

僕は、この話を聞いて気付いたことは、「ピラミッド型のヒエラルキー組織は“詰まる”」という当たり前の事実です。

経済的な豊かさを手に入れるためには、組織を登ること。でも、それは多くの敗者を生む宿命にあります。
しかし、それでも、大きな企業には出世ルートはいくつもあるし、頂上まで登りつめなくても、7合目でも、それなりです。
一見、希望があるように思えるのだと思います。

中小企業は真似しちゃいけません。
小さな会社で競争原理を取り入れたら、組織は崩壊してしまいます。
「富みたければ出世せよ!」という原理は合いません。

それに、そもそも、小さな会社ほど、社員さんの出世意欲は低い傾向にあります。
人間関係が醸成されているので、出世競争を嫌うからです。

小さな会社では、みんなで知恵を出し、力を合わせて稼いで、適正に分配し経済的な豊かさを手に入れるのが最も健全で、持続可能な方法だと考えます。

例えば、指示ゼロ経営を導入している会社の中には、役職を置かない会社もあります。
5人ほどの小さなユニットで成り立っており、ユニット単位で意思決定し、優れたチームワークで役割分担を決め、仕事を進めています。
みんなで稼いで、利益は適正に分配します。

取り組むプロジェクトによって、個々の役割が変わっていく、変幻自在な組織です。
詰まらない。
流れる組織です。

流れる組織になると、ヒエラルキーを登らずとも、自分たちが成長することで、経済的な富を得られるのです。
経済的な富も大切ですが、何よりも、仲間と協働する喜びや、チームの中で自分の居場所ができ、必要とされる悦びがあります。
いずれも、人生を彩る、心の栄養です。

何歳になっても、希望を持ってイキイキと働ける会社が増えればいいな、と思っています。

もしかしたら、若者が出世を望まないのは、そういう時代に入ったからかもしれません。
どうか分かりませんがね…

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!!

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