「みんなはどう思う?」という問いかけが学習する組織を育てる

指示ゼロ経営を始めとする自律型組織は、これまでのヒエラルキー組織のあり方・形とは大きく違います。

従来は下記の図のように上司と部下が関わり仕事を進めていきました。

全体を把握するのは上司の役割です。
全体の計画は上司が立て、計画の一部分を部下に振り分けます。

部下の育成は、上司と部下が1対1の成長対話を重ね行います。
日々の仕事では報連相を繰り返し、1人1人の部下の進捗を確認していきます。

しかし今のように変化が早く、何が正解かは分からない時代では弱点が露出しています。
まずいちいち報連相していては時間がかかります。
上司も正解が分からないから正しい指示が出せません。
指示を出してやらせた後に改善するにしても、上司の主導で行うと部下は上司が作り出した変化に振り回され疲弊してしまいます。

そしてこんな不満を口にします。

「また上司が違うことを言いだした〜。一貫性がない」

対し、自律型組織では下記のような形でチームが形成されます。

自律型組織では、これまで上司が一手に引き受けてきた役割が集団の中に埋め込まれます。

・みんなが参加し計画を立てる
・役割は自分たちで決める
・行動したら、その結果を見て次のアクションを決める
・学び合う

自ら変化をつくり出す組織です。
変化に強いし三人寄れば文殊の知恵が出ますので今の時代に向いていると実感しています。

さて、自律型組織を目指すリーダーが最初に戸惑うのが部下との関わり方です。
従来では1対1の成長対話と指導がメインなので、1人1人の部下に関わる上司が良い上司とされてきました。

自律型組織では基本的に「集団と関わる」というスタンスになります。

だから使う言葉が変わるのです。

「みんな」という言葉に。

従来の習慣が抜けきれていないと、集団ではなく個々に関わってしまいます。
例えば、ある部下が相談に来ると、丁寧にコーチングをしたり指導してしまいます。
これをすると、周りが真似します。
で、気づくとヒエラルキーの形に戻ってしまうのです。

仲間に相談できない深刻な悩みなどは例外ですが、基本は集団と関わること。
使う言葉は「あなた」ではなく「みんな」
個別に相談に来た場合、「仲間に相談してみたら?」と集団に返してしまうのがベスト対応です。

最初は上司も部下も戸惑うかもしれませんが、意外と慣れるは早いと思いますよ。

ではでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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