正解が分からない時代を生き抜く秘訣は、ミツバチに学べ

3年間続けた会議で出た結論は「会議をやめる」だった

経営をしていると、時に「何をしたら良いか分からない」という状況に追い込まれることがあります。
これまでの常識が通用しない、何が正解か分からない…
今、飲食店やホテルなどがそんな状況下に置かれています。
しかし、そんな中にあり、やるべきことが観えてきたという方もいます。
数多くの経営者と話をする中で、その秘訣が浮き彫りになりました。

それは「大まかに推測したらすぐに行動する」という特徴です。
やみくもな行動ではない。
細かな行動計画は立てない。

行動するから観えるものがあり、その時点で軌道修正をする方法です。

僕はそんな経営者の話を、自分の経験に照らし合わせ納得しました。
今から9年ほど前、当社が抱えていた課題は「ビジネスモデルの転換」でした。
新聞購読者の減少が進み、新聞を仕入れて売るというモデルが賞味期限切れを起こしていました。
新たなビジネスモデルを創る必要性に迫られていました。
しかも、現業の資源…例えば、配達網などを活かす商売の形です。

僕にも正解が分からない大きな課題でしたので、幹部社員と会議を重ねました。
その数、50回以上。
時間にして3年ほどを費やしました。
で、結果はどうなったのか?

何も決まりませんでした。
いや、1つだけ決まった事がありました。
それは「考えていても何も始まらない。行動しないことには何も分からない」ということです。
3年間、積み重ねた会議の結論が「会議をやめる」ということです。

とにかくお客様に喜ばれることは何でもやろう、そう決めて各自が実践を始めました。

当時、周りからは無計画だの資源の無駄遣いだの言われ、僕はかなり揺れましたが、今では間違いでなかったと確信を持っています。

方向性を決めたら行動する、行動するとやるべきことが観えてくる

戦略の基本は、ゴールから逆算してやることを定めることです。
次の通り「戦を略す」です。
しかし、やることが分からない時には活かすことはできない。
そんな時はミツバチの習性が参考になると思います。

ミツバチは蜜の在り処を探す時に、大勢が四方八方に散り蜜を探します。
そして見つけたら独り占め…じゃなく、皆んなに報せます。
その方法が可愛くて、「八の字ダンス」を踊るそうです。

これが最も効率が良い。

当社の場合、お客様に喜ばれることをやっているうちに、生活者の困りごとが観えてきました。
そして、それらは個々の生活者の課題ではなく地域全体の課題だということが分かりました。
ある日、社員から「地域づくり」の事業案が提案されました。

そこからは早かった。
大まかな構想を立てたら一気に行動が始まった。
行動すると、新たな課題が観えてきました。
前に進むたびに、自社がやるべきことが明確になってきたのです。

結果的に行政から地域づくりの業務委託を受けるまでに成長しました。

会議室でウンウン唸って考えても観えななかったアイデアが行動により観えてきたのです。

偉そうに書いていますが、このことを気付くのに3年もかかったわけです。
しかし、これも「考えていても何も始まらない。行動しないことには何も分からない」ということに気付く貴重な体験だったと考えています。

もう1つ気付いたことがあります。
それは、会議室で話し合っている時はモチベーションが沸かなかった、行動したら湧いてきたという事実です。

モチベーションがあるから行動する、ではなく、行動するから発動するということです。

□何をしたら良いか分からない時は、推測して行動する。
□行動するとやるべきことが観えてくる。
□行動するからモチベーションが生まれる。

行動派の経営者から学んだことは、このようなことです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

【お知らせ】

指示ゼロ経営の概要を自宅で学べる動画を販売しています。
講演会の内容を基にスライドを交え見やすく編集しました。
詳細は↓
https://shijizero.thebase.in/