取締役の数を4倍に増やしてイノベーションに成功した会社

イノベーションを妨げる原因は組織形態にある

イノベーションを妨げる要因の1つに「ガチガチの組織」があると考えています。
組織が「今の業務を遂行する専用」になってしまっていて、それ以外の活動に対応できないのです。

これは組織の宿命だと思います。

どんな事業でも最初は安定しません。
人は不安定を嫌いますから、何とか安定させようと頑張ります。
誰がやっても均質の業務ができように標準化を行います。
それはマネージャークラスも例外ではありません。

マネージャーの優劣で業績が変わるようでは困りますので、組織の仕組みでカバーします。

ところが、これが変革の妨げになる。

そもそも組織は、何かを遂行するために結成されますよね。
だから当然、やることが変われば組織も変わります。
でも、組織を変えるのって大変です。
昨日まで部長だった人に「君、悪いけど明日から平社員に戻ってくれ」なんて言えないよね?(笑)

だから変革が起こせない、そんな会社が多いと思います。

今は変化のスピードが早いので、変化に応じて組織が柔軟に変わる「可塑性」の高い組織をつくることが求められるわけです。

それを可能にするのが自律型組織(指示ゼロ経営、ティール、ホラクラシー)です。

指示ゼロ経営には原則、決まった組織はありません。
役職もない。

変化に応じて、「勝手に」組織が結成されます。

昨年まで僕が社長を務めた新聞店がそうでした。
新聞店の枠を超えた業態転換に成功し、今や地域づくりを主業務にしています。
新たな企画が次々に発案されます。例えば、イベントが必要となったら、事務員さん、新聞配達員など、部署を超え立候補して組織を結成されます。
イベントが終わったら解散します。

これは役職が固まっていないから可能なのですが、普通、会社には役職があります。
そういう場合はどうすればよいのでしょうか?

取締役の数を4倍にして変化に即応できる組織にした社長

先日、北海道で指示ゼロ経営の講演会を行いました。
そこに参加された67歳の経営者の話を聞いて、僕は非常に驚きました。

発想が斬新なのです。

今ある役職を廃止するのではなく、新たな役職をつくったのです。
しかも「長」が付かない役職です。

その方の方法とは、何と、マネージャークラス全員を取締役にしてしまったのです。
賃金をどうしたか?までは聞けませんでしたが、全員が納得して取締役になったそうです。

営業部長も製造部長も、みんな取締役です。

肩書が変わると同時に、今まで固定されていた役割が崩壊します。

取締役は「会社を良くする、主たる推進力となる存在」です。
そのための活動は様々だし、変化に応じて変わっていきます。

取締役になったことで、その意識が発動したのだと思います。

営業部長だった人は、これまで「自分の分野だけ」しか考えられなかった、「タコ壺状態」だったかもしれませんが、今では「全体の中の営業部の役割」を意識できるようになり、変化に強くなったと言います。
新しいアイデアがたくさん出るし、意思決定から行動まで比べ物にならないくらい早くなったそうです。

もちろん、役職を変えただけでこうなる事はないと思います。
変化に即応できる組織にするという意図が理解されていないと、役職名が変わっただけ、となります。

社長は、意図を社員さんとじっくりと対話したと言います。

社長は、特に指示ゼロ経営にしようと思ってしたわけではないと言います。
そろそろ引退を考え、次世代にバトンタッチすることを考え、自分の最後の仕事として自由闊達な組織にすることを決意したのです。

その決意が社員さんの心に届いたのも成功の要因だと思いました。

それにしても大胆な発想で驚きましたよ。
僕はずっと「役職を廃止する」と考え方に縛られてきましたが、新たな役職にしてしまうなんてね。

スピーカーの僕が一番、勉強になった北海道講演会でした。

それでは今日も素敵な1日を!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。
著書に「リーダーが『何もしない』とうまくいく」がある。

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