「儲からない方が不可能」というシナリオを創る
「モノが売れた」と考えずに「買った人がいた」と捉える
自社の商品・サービスを売りたいと願うなら「人」にフォーカスすることが欠かせません。なぜならば、モノが売れたという背景には、必ず(100%)「買った人がいた」という事実があり、さらに具体的に言えば、その人が「買うという行動」を取った結果ということになります。
なので、買ってくれるまでの「人の行動を設計する」という視点が重要になります。
非常に分かりやすい事例があるので紹介しますね。
僕の友人Aさん(女性)が最近、美味しいレストランに出会い大ファンになりました。
その背景にはこんな物語がありました。
①Aさんの仲の良い友人Bさんから「素敵な店があるんだ」と聞いた。
②その場で、お店をスマホで検索したら店のInstagramに行き着いた。そこには、「忙しい主婦が仲間と心を開放する場を作りたい」という思いが綴られていた。店主にも小さなお子さんがいるらしい。一瞬で想いに共感した。
③季節の野菜が使われている季節限定ランチが紹介されていて「女子会にどうぞ」とあった。
④Bさんが、「今度、みんなでこのお店に行こうよ」と言った。
⑤後日、みんなで行ったら、料理も美味しいし接客もとても心地よかった。
⑥食事の後に、Bさんが「ドリンクチケットがあるから、注文してもっとおしゃべりしようよ」と言った。
⑦帰りに店主から「よかったら今度来る時に使ってください」とドリンクチケットを手渡された。
Aさんはとてもこのお店を気に入り、僕に教えてくれたのです。
「もし行くなら、ドリンクチケットがあるから、良かったらあげるよ!」のひと言を添えて。
僕は、Aさんからこのお店の話を聞いた時に、お店は、①〜⑦を意図を持って設計している可能性を感じ取りました。
設計の匂いを感じ取ったのは、僕にマーケティングのシナリオ構築の知識があったからです。
商品・サービスが売れる背景には、必ず「人の行動」があります。
それは次の4つに整理することができます。
お客様が…
①あなたの会社・お店のことを知る。
②初回の来店、注文をする。
③2回目の来店、注文をする。
④ファンになり足繁く通うようになる→お友だちに紹介する。
シンプルですが上の4つで成り立っています。
※業種によって、①〜④のシナリオは多少変わります。
あなたのお店を知らない人が来店するなんて怪奇現象は起きません。
1回、来ただけで、2回目以降、来なくなるお客様は非常に多いので、2回目に来ていただく仕掛けが必要になります。
ファンになっていただくには、店主の思いを伝え、共感を得ることが欠かせません。
ファン客が、自分のお友だちに紹介しやすくなるような仕掛けが必要です。放って置いて紹介が起きることを期待しちゃいけません。
件のお店の仕掛けは、この「組立図」にピタリとはまるのです。
シナリオは三人寄れば文殊の知恵で創り上げる
お客様の物語が動くためには意図を持って「組立図」をつくり、お客様と出会ってから上得意客になるまでのシナリオをつくる必要があります。そのためには、お客様の気持ちになって考えることが大切です。
しかし、人は、他人の立場になって物事を考えることが苦手です。
だから、僕は、こうした組立図はスタッフや友人など、第三者の視点を入れて作ることをお勧めしています。
組立図があると、みんなでワイワイガヤガヤアイデアを出しているうちに、「このアイデアは、組立図の①に当てはまるね」といったように、アイデアを出しているうちにマーケティング戦略ができてしまうのです。
また、良質なアイデアは適切な問いから生まれますでの、「問いの立て方」が重要になります。
例えば、「売上を上げるためにはどうすれば良いか?」という漠然とした問いでは具体的なアイデアは出ません。
「初めて来店した人がリピートしてくれるためには、②→③に進むためには、どんな仕掛けがあるか?」という絞り込んだ問いが必要です。
組立図に基づくと、ポイントが絞られるので、良い問いを投げかけられるようになります。
①あなたの会社・お店のことを知る
②初回の来店、注文をする
③2回目の来店、注文をする
④ファンになり足繁く通うようになる→お友だちに紹介する(①に繋がる)
このシンプルな組立図を模造紙などに書き、スタッフや友人などとワイガヤで考えると、素晴らしい事業計画が出来上がるでしょう。
そして、組立図が完成したら、そこには「儲からないことの方が不可能」と思える自信が生まれると思います。
僕も、毎年、組立図を書くようにしています。
語弊を恐れずに言えば、僕は、利益が上がるかどうか?は努力で決まるものではなく「組立図」の出来栄えで決まると考えています。
是非、あなたの会社に利益を呼ぶ組立図を作ってみてはいかがでしょうか?