会議で部下の質問に対し「良い質問だ」と評価する上司はダメ

よく、研修講師や上司が受講者(部下)からの質問に対し「良い質問ですね」って言う場面を見ます。
たまにありますよね?
講師(上司)によっては毎回、必ず言う人もいます。
その態度が成長を阻害しているとも知らずに。

これは使う言葉の問題ではなく上司の心構えの問題だと思います。

何が問題なのか?
どういう態度が理想なのか?
今日は、人が育つコミュニケーションについて考えます。

上から目線の上司は、その人がいないと成長できない組織をつくる

先日、夢新聞の講師養成講座を行いました。
研修のタイトルは「参加者主体の夢新聞教室構築セミナー」です。

主体は参加者なのです。
ここには指示ゼロ経営の原則である「人は自分の意思でのみ動く」という考え方が反映されています。
その昔「講師主体」で進めた時期の失敗から改善しました。
参加者が主体にならない限り学習効果は高まらず良い教室にはなりません。
講師の満足のための教室ではないのです。

夢新聞講師にとって「良い質問ですね」はご法度です。
突然、参加者を指名して答えさせることもしません。
講師が白熱してしゃべることもない。

それには理由があります。
質問に良い悪いはないからです。
分からないものは分からない、ただそれだけです。
上司や講師が評価するもんじゃない。
評価をすると参加者はどう思うか?
「良い質問をしなきゃ」ってプレッシャーを感じ、自由度が奪われ成長が妨げられます。

「良い質問です」は上から目線です。
もし、部下が上司から質問された気に、これを言ったら怒られますよね?
上から下にしか言えない言葉は、使えば使うほど上下関係を強化します。
自由闊達な組織を目指すならご法度、そう考えています。

部下を頭脳として観る、パートナーとして尊重する

他にもグダグダした質問(何を言っているのか分からない)を歓迎します。
グダグダになる理由は、情動脳で感じている違和感を言語化できないからです。
何かを感じているのです。
それを上司が「ちゃんと整理してから質問しろ」なんて言うと、成長が阻害されます。
分からないことはできるだけ早く解決するのが良いのです。

突然、指名すると指名が怖くて緊張します。
緊張は集中力を低下させ学習効果を下げます。

上司が白熱する会議もご法度です。
以前に、NHKで「ハーバード白熱授業」という面白い特集がありました。
講師の外国人が熱く語っていました。
そこに学生が質問したり意見を述べたりというスタイルでしたが、やっぱり講師が一番白熱しています。
学習効果の面から言えば、白熱すべきは学生です。

なぜ、僕が参加者(社員)主体にこだわるのかと言えば、変化が激しい時代に持続可能性な経営を行うためです。

リーダーの指揮が強いと、そのリーダーがいる場合は上手くいきますが、いなくなった途端に活力を失います。
持続可能な組織とは自分たちで課題を解決できる、自分たちの相互作用で成長できる組織だと考えます。

そのためには社員さんを手足ではなく頭脳として、パートナーとして観ることが大切です。
尊重しているリーダーは決して上から目線にはならない、そう思うのです。

人材育成と組織開発はリーダーの心構え、あり方が重要だと思うのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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