勝手に学び合い持続的に成長する組織はこの段階で出来上がる

「いくら教育しても学ばない」「同じことを何度、言わせれば気が済むのか?」
人を育てるのって難しいことだと思います。
根気よく、辛抱強く取り組まねばなりませんが教育方法が間違っていたら苦労も水の泡です。

「教育しているつもり」そんなケースも結構、あるんじゃないかな?

今日は人が育つために必須の要件と、その対策について考えます。

教育には3つのフェーズがある

教育には大きく分けて3つの状態があると考えています。
それは…
「教え育む」
「教わり育つ」
「学び合う」
この3つ。

「教え育む」は主体が指導者で、新入社員には必須の教育です。
これを飛ばすといつまで経っても一流にはなれないと思います。
しかし、これも全部をリーダーがやる必要はないと考えています。
その理由は、リーダーが最も良い先生とは限らないからです。

最も良い先生には4つの条件があります。
1、学習者よりも少しできる人
あまりに出来すぎる人は、できない人が何が分からないかが分からなくなります。また説明が抽象的になる傾向があります。
大学の教授の講義がチンプンカンプンなのはこうした理由です。

2、人間的な相性が良い人

3、自分にもできなかった経験があり失敗体験を持つ人
学習者の気持ちが分かるからです。

4、学習者がわからない時に、すぐに聞ける人
分からないことを放置したまま先に進むと、もっと分からなくなります。
以前に、東大生に「東大に入るコツは?」と聞いたら「分からない事はその日のうちに解決することだ」と言っていました。
すぐに聞ける人は仲間です。

こう考えると、学習者にとって最も優れた先生は仲間という事になります。

人は他人に教えた時に最も学習しますので、実は教えた人が一番、賢くなるのです。

学び合う分ができると持続的、加速度的に成長する組織になる

「教わり育つ」は学習の主体が教わる側になります。
教え育む段階は早々に終えて、この段階に持っていきたいところです。
そのためには、「教えて欲しい」が言いやすい雰囲気が欠かせません。
よく質問に対し「ググれ、カス」と言う人がいますが、これは単純な知識のみに有効で、知恵(知識を組み合わせて概念化する)の場合にはかえって手間になります。

知恵は創発(ワイガヤ)で起こりますので、日頃から教え合っているチームでは豊かなアイデアが出やすいと思います。
他人に教えることは損ではありません。
教えた側が一番、学習しますし仲間が賢くなることは自分を含む全員にとって得なことです。

ただし、相対評価による人事査定がある場合は例外です。
相対評価の場合、全員がA評価になることはなく全員をABCDに振り分けます。
仲間を教えたことで自分が相対的に下る可能性があれば、仲間に教えることに躊躇します。

さて、教わり育つ状態が文化になると最終段階「学び合う」に昇華します。
社内は学びの宝庫になり、持続的かつ加速度的に集団が賢くなっていきます。

僕が23年間経営した会社では、8ねんほど前から完全にこの状態に入りました。
誰かが研修に出ると、3ヶ月もすると仲間もマスターしてしまうのです。
こうなると、全員が同じ研修に出ることは少なくなります。
チームを代表して誰かが学びに行き、帰ってきたらそれを全員で学び合う、この繰り返しで自律的、継続的な学習が可能になる。

もう、リーダーの能力を超えたチームになります。

リーダーは人材育成に関しても自分1人で何とかしようとせずに、集団の相互作用を活用した学習環境を整えることだと考えます。

教え育む→教わり育つ→学び合う

組織を学びの宝庫にしましょう。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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