部下の抵抗を力に転換する「ビジネス合気道」
人材育成の達人は、部下が抵抗した時に、力でねじ伏せるのではなく、相手のエネルギーを活用して良い方向に導きます。
その様子がまるで合気道のようで、いつも感心します。
僕の先輩に達人がいるんですが、今日の記事では、その方から習った「ビジネス合気道」を共有したいと思います。
まずは抵抗のパターンから。
部下の抵抗は、相手に耳の痛いフィードバックを与えた時に受けることが多いと思います。
その時の抵抗には次の3つのパターンがあります。
「言い訳」「ダンマリ」「評論」
「評論」とは、部下に注意を与えた時などに「ええ。分かっていますよ」とか「あなたの考え方には問題があると思いますよ」などと、評論家のように論を返してくるタイプです。
あなたも3つのケースに遭遇したことがあるのではないでしょうか。
これらの抵抗は、課題解決を妨げるものではありません。それどころか課題解決に必要な情報が含まれているのです。
合気道の達人は、相手の力を真正面から受け止めるのではなく、その力を活かしますが、人材育成の達人も抵抗に対し、相手の力を課題解決につなげます。
その方法を知る前に、まずは課題解決のセオリーを確認する必要があります。
課題解決は、次の3つを明らかにするところからスタートします。
1、現状(何を)
2、理想(何に)
3、方法(どのように)
今、何が起きているのか?…現状を把握した上で、どうなりたいのか?…理想を描き、現状と理想のギャップをどのように埋めるのか?…方法を考えるという思考プロセスです。
これを踏まえた上で、ビジネス合気道を展開します。
「言い訳」
まずは、相手の言い分を最後まで聞き切ることが大切です。
言い訳をよく聞くと、「◯◯だから難しい」といった趣旨が多いと思います。これは、課題解決のセオリーの「現状」にあたります。
つまり、上司が求めずとも現状分析をしてくれているのです。
ならば、「その現状がどんな風になれば嬉しいか?」と理想を尋ね、解決の方向にいざなうのです。
「ダンマリ」
抵抗をする人の中には、沈黙という方法をとる人がいます。
その場合の対応はシンプルで、相手が喋るまでこちらも黙ることです。
シンプルですがこれが難しい。つい説得したり、追加の質問をしてしまいますが、とにかく黙って待つこと。僕の経験では、黙り続けた人は1人もいません。
「評論」
これもまずは、相手の言い分を最後まで聞き切ることが大切です。
よく聞くと、評論している内容は、「現状」「理想」「方法」のいずれかにあたります。中には、他人事のようにビジネス書や他社の事例を語るケースもありますが、それも理想か方法にあたると思います。
つまり、上司が求めずとも解決策を出してくれているので、その力を借りてしまうのです。
いかがでしょうか。
まさに合気道のようではないでしょうか。
ただし、ビジネス合気道が成り立つためには、部下との人間関係が欠かせません。
また「相手の力を使ってやろう」という意図が透けて見えると上手くいきません。部下の自律性を信頼するというスタンスが必要です。
そうなれば、抵抗は、課題解決を妨げるものではなく、課題解決の力になります。
力で勝つのではなく、力を活かす。
この知恵は、人材育成の普遍的な原理なのかもしれません。
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