「学んでから実行する」を「実行しながら学ぶ」に変える。

社内研修を定期的に行っている企業であれば、研修がイベント化してしまったという経験はないでしょうか。
経営者や担当部署が、自社に必要な学びを探してきて社員に受講させるが、どうも学びに身が入らず、消化イベントのようになることがあります。

当社も例外ではなく、イベント化に悩み、ついには「正しい学習法」の研修を行ったこともあります 笑。
僕は、この体験から「学びは、学びとして独立させてはいけない」ということに気づきました。

それは、実践と学びをセットにするということ。「やりながら、何を学ぶか?」を自分たちで決めるということです。

学びに身が入らない原因の1つは、学びのテーマを自分たちで決めないことにあります。
まるで、子どもが通う塾を親が選ぶようなもので、これでは、主体性、能動的な学習意欲は生まれるはずはありません。

といっても、人と関わる力、協働する力、考える力といった基本的な素養は、必須科目として受講してもらう必要があると考えています。
例えるなら、学生が義務教育で基本的な学びを習得した上で、高校以上の任意教育を自分で選択するようなものです。

基礎学習が終わったら、学びの主導を社員に渡しますが、そのためには、学習プロセスを見直す必要があります。
従来、私たちは「学んでから実行する」と考えますが、それを「実行しながら学ぶ」という形に切り替えることです。

僕は、このことを、幼稚園「大地」の園長、青山繁さんから学びました。
大地とは、そのユニークな教育から、全国から注目され入園希望者が殺到する人気の幼稚園です。

「大地」には決まったカリキュラムはありません。
例えば、朝、登園した子どもが「カエルにヘソってあるの?」と言えば、「じゃあ、みんなで見に行こう」という具合に、興味が出たその時々で学びの場をつくっています。

このように、興味関心が高まった時が、学びの千載一遇の機会なのです。

これを企業に応用すると、次のような方法が考えられます。

❚ ケース1 〜事業計画をつくる時〜

指示ゼロ経営では、事業計画づくりに社員が参画します。
例えば、日本の伝統食の製造、販売を手掛けるある企業では、日本食離れによる業績低迷に危機感を抱いていました。
その対策として、社員の参画のもと事業計画を作りました。
計画の骨格は次の3つです。
「日本食の魅力を伝える」「初来店のきっかけになる商品の開発」「リピート顧客づくり」

骨格があると、具体的なアイデアは社員さんが出してくれます。
例えば、日本食の魅力を伝えるために、Instagramでの発信というアイデアが出ました。

「日本食の魅力を伝えるためにInstagramをやってみよう」→「でも、写真がうまく撮れない」→「じゃあ、写真の撮り方を学ぼう」という意欲の発現が起こります。

❚ ケース2 〜上手くいかない時〜

成長とは、従来のシステムが変わることを指します。
例えば、これまでトラブルが起きると仲違いをしていた組織が、トラブルによりかえって結束が高まるといったことは、システムが更新されたことを意味します。
そして、成長には、旧来のシステムの破壊が必要です。
その好機が失敗などの想定外の体験で、その時に「上手くいく方法を知りたい」という意欲が生まれるのです。

「学んでから実行する」のではなく「やりながら、何を学ぶか?」を決める。
すると、学びは、研修というイベントではなく、仕事そのものの中に入ってきます。
すると、スポンジが水を吸うように学びを吸収し、現場でしっかりと活用してくれるでしょう。  

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