経営に「いいことはお陰様、悪いことは身から出た錆」の精神を。
組織の成長は、直線ではなく、下の図の青い線のような浮き沈みのある曲線を描きます。
組織運営の初心者は、浮き沈みに一喜一憂してしまい、エネルギーを消耗してしまうんですよね。
一人で一喜一憂していればまだ良いのですが、リーダーの気分の浮き沈みに、メンバーが振り回され疲弊してしまうので注意が必要です。

「波」は必ずあるもの。
良い時もあれば、悪い時もある。
波をなくそうとするのではなく、波があることを前提に、その波に乗って進んでいく方がノビノビと成長できると思います。
とは言え、にんげんだもの。それが難しい。一喜一憂するのは致し方ないことだと思います。
しかし、波の乗り方を知ることで、それは随分と緩和され、上手に進むことができると思うのです。
その心構えを、まさに「にんげんだもの」の相田みつを氏の名言が示しています。
「いいことはおかげさま 悪いことは身から出た錆」
いい言葉ですよね。
組織が波に翻弄されずに、むしろ波に乗るためには欠かせない心得だと思います。
では、この心得を組織運営の実務に落とし込むにはどんな具体策があるでしょうか。
まずは、調子が良い時の「いいことはおかげさま」を考えましょう。
僕は、組織活動を演劇に例えることがあります。
主役もいれば脇役もいる。通行人や木の役といった役もあり、それぞれが役割をまっとうした時に素晴らしい公演になりますよね。
ビジネスも同じで、それぞれが自分の役割をまっとうすることが大切です。そして、定期的に、個々の活躍に光を当てる場をつくることをお勧めしています。
一隅を照らすことでチームワークが高まり、この後に述べる、調子が悪い時に対応できる組織になるのです。
次に、調子が悪い時を考えましょう。
調子が悪い時は、人と組織が変わる絶好の機会と捉えるべきです。成長とは「変わること」で、変わるためには従来の思考の破壊が必要だからです。上手くいかない現実が、自分たちの思考の枠にヒビを入れてくれるのです。
以前にブログで紹介しましたが、『ラグビー流「人材成長」』という書籍で、強いチームをつくる秘訣は「負けから学ぶこと」で、そのためには、負けを受け入れる素直さが欠かせないと述べられていました。
また、もう1つの秘訣として「組織内に敗者をつくらない」とあります。
つまり、不調や敗北を他人のせいにしない。…相田みつを氏の言葉では「悪いことは身から出た錆」の精神ということになります。
不調は、最初は「根拠なき不安」から始まります。下の図の①「何かかおかしいぞ…」のポインで違和感を抱きますが、ここがまさに成長の分岐点です。

①「根拠なき不安」…なんか最近、うまくいっていない気がする…
↓
②「根拠ある不安」…現実を直視し、原因を探り自分たちの課題として受け入れる。
↓
③「 根拠ある楽観」… 原因が分かった。ここを変えれば、きっと良くなる。
というプロセスで人と組織は成長します。
「いいことはおかげさま。悪いことは身から出た錆」…これは、組織が波に翻弄されず、自分たちのペースで成長していくための、大切な心がけだと思います。
調子がいい時は、周囲の支えや仲間の力に目を向ければ、それが、調子が悪い時に現実を受け入れ成長の糧になる。
それが、「いいことはおかげさま 悪いことは身から出た錆」の実務ではないでしょうか。



