評価制度で失敗しないためには「全体最適」と「参画」の視点を欠かさない

評価制度をどう取り扱っていくか?…多くの経営者にとっての関心事だと思います。
社長が心配するのは、公平性に欠ける評価をした時に社員から、特にデキる社員から不満が出ることです。

正しく評価されずに不満を持つのは、大抵デキる人です。
それでは組織の活力を奪ってしまう、そんな心配が大きと思います。
僕のセミナーでも最も質問が多い項目です。

今日の記事では、永遠のテーマとも言うべき評価制度について考えたいと思います。

部分最適の評価制度が組織の活力を奪う原因

まず、最初に確認したいことは「これが正解」という単一解はないということです。
完璧はない、会社によって正解が違う、これが前提となります。

その上で…
1、「チームとしての」活力が上がるもの。
2、みんなが納得できるもの。

この2つの要件を満たす制度が必要だと考えています。

まずは「チームとしての」活力が上がるものから考えていきます。
全体の活力を上げたければ、営業職でよくある、個人に与えられる成果報酬(インセンティブ)は廃止すべきだと考えます。

その理由は「部分最適」に陥るからです。
部分最適とは「自分ができれば、それでOK」というもの。

仕事は流れと繋がり、チームのワークで結果を出しますので「全体の最適化」が最も重要になります。
仕事がデキなくて困っている仲間がいたら、支援するのが全員にとって得なことです。

全体最適の視点を破壊するものが個人に与えられる成果報酬です。
自分1人が頑張って成果を上げれば、自分の報酬がもらえるのだから部分最適が起きるのは自然なことですよね。

また、成長期では活動量が結果に繋がりましたので成果報酬は有効だったと思いますが、今は知恵の時代です。
知恵は、諺通り「三人寄れば文殊の知恵」で最も活性化します。
部分最適は文殊の知恵を阻害します。

僕は23年間、新聞販売店を経営してきましたが、部分最適に陥る制度は全て廃止しました。その結果、成果報酬はおろか、相対評価も廃止しました。
その以前は、相対評価は賞与や昇給の算定に使っていました。
限られた原資(パイ)を評価に応じて傾斜配分する成果主義を取っていたのです。

すると競争原理が働きます。
「自分は仲間より良い成績を取る」と考えるので、困っている仲間を助けることがなくなり破綻しました。
その後、「仲間を支援したか?」という評価項目を加えましたが、無理があり止めました。

舞台と同じように、チーム内には主役も脇役もいる

「無理がある」と悟ったのは、チームワークの構造を学んだ時でした。
チームワークで何かに取り組む時に、チーム内に様々な役割が自然発生することを知ったのです。

例えば…
特攻隊長にように真っ先に動き、チームを起動させる役割。
特攻隊長をフォローする役割。
仲間に「何か意見はない?」と振り発言を促す役割。
自分たちの考え、アイデアなどを体系的にまとめる役割。
チームが極端な(間違った)方向に進むのを防ぐ役割。
人間関係の円滑化に配慮する役割…

全部で14の役割があるのですが、役割は固定せず、また取り組む課題によって違うことが分かりました。

役者がちゃんと揃った時(全体最適)に、チームとして結果を出すのですが、これが舞台と同じだと思ったのです。

主役がいて、脇役がいて、面倒くさいヤツ(反対するヤツ)がいて、木の役がいて(笑)舞台は成り立ちます。
これが全員経営です。

僕は、成果主義で、ステージ本番で主役を競わせていたのだと気付いたのです。

全員経営の考え方を社員さんたちも理解してくれたので評価制度を廃止することに異論はありませんでした。

もちろん、これが普遍的な正解だとは考えていませんが。

制度を持続的に改良できるようにするために、社員さんに制度づくりに参画してもらう

もし、社員の中から「評価がないと不公平」という意見が出たら、リーダーが1人で抱え込まずに、どうすれば良いか?をみんなに投げかけ「チームの課題」にするのが一番だと考えています。
みんなの知恵を借りる。
納得がいかない原因は、自分が参画せずに、一方的に評価されるから。

ある会社さんでは、社員さんが参画して決めた結果、評価は360度で行うが、それを賞与や昇給には使わないという結論に達しました。

参画するメリットは、不具合が起きた時に修正しやすいことにあります。
リーダーが1人で考えると、不具合が出た時に噴出した不満をリーダー1人が抱え込むことになります。
完璧がない領域なので、改善しても不満を持つ社員が出て、リーダーは評価の無限地獄に落ちる可能性があります。

その時間を別のことに使った方が良いんじゃないか?と思います。

そもそも評価制度は「制度」なので、不具合があったら改良すれば良いのです。
※「主義」がコロコロ変わるのはおかしい。

それを円滑にするのが参画による意思決定です。
社員さんたちに全体最適の視点があれば、最適な制度を自分たちで創り上げることができると思います。

もしかすると、その結果、弊社のように「評価はなし」なんて結論に達する可能性もあると思います。

いずれにせよ、改良をすれば、一旦、複雑になり、繰り返す内にシンプルになっていくと思います。

まとめ

・部分最適を引き起こす評価制度は廃止する。
・全体最適の視点、考え方を全員で共有する。
・チームで成果を上げる役者は14種類ある。(評価が難しい)
・評価制度は社員さんが参画して決める。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい。

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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