人手不足対策、離職を防止するための賃上げをすると社風が荒む危険性がある

厚生労働省が100人以上の従業員が働く1600社の企業に対し賃金引き上げの状況調査を行いました。
その結果、引き上げたと答えた企業は89.7%にも登りました。背景には深刻な人手不足があるようです。(昨年12月発表)
新入社員が採れない、既存社員が辞めてしまう…

僕は経営側の都合で賃金を上げるのは危険だと思っています。
人件費は低く抑えたい…そんな意味ではありません。賃金は高い方が良いに決まっています。
そうではなく企業風土が荒れる危険性があると考えるからです。

賃金で釣るとお金に動機が偏った人が集まってしまう

僕は社長に就任してから10年ほど、この課題に取り組んできました。
新聞店は不人気業種の代表格です。
年がら年中、人手不足で「スタッフ随時募集」の看板を店舗の壁に取り付けるお店もあるくらいです。
これ、逆効果ですよね?
よほどブラックなのか?と思われちゃうよね…

不人気だからと言って高賃金で釣るのは危険です。しかも「仕事は楽です」(あるいは厳しいとは書いていない)と謳っている場合はなおさらです。
その理由は、お金に動機が偏った人を集めてしまうからです。やり甲斐よりも、最小の労で最大の利を得ることを考える人が集まるのです。
知恵を使って効果的に仕事をする人であれば良いのですが、どうせ同じ給料ならできるだけ仕事はしないくないという人が来たら困りますよね?

以前の大量生産大量消費の時代ではそれでも良かったかもしれません。
とにかく活動量が結果に直結した時代だから、ニンジンぶら下げ方式が通用した。
でも、今は、すぐに結果が出ない、お金にならない仕事が多くあります。
例えば、お客様との関係性づくりや、高度な欲求に応えるための研究開発などです。

求人には「書いた通りの人が来る」という原則があります。
お金が全面に出ていたら、そういう人が来ます。ビジョンや働き方、人生観が全面に出ていたら、そういう生き方がしたい人が集まります。
どちらが自発性が高いか? どちらが成長するかは自明ですよね。

一緒に未来を創ってくれる同志を集めることが大切なんじゃないかと思うのです。

賃金は、社員のがんばりが報われたという構図が必要

会社の都合で賃金を引き上げるのも危険だと思います。
多少は離職防止の効果はあると思いますが、それよりも「お金のみで繋がった関係」を強化してしまう危険性があります。
まったくモチベーションUPには貢献しないと考えます。喜ぶのは最初の3週間で、すぐに元に戻ってしまうでしょう。
むしろ「会社は、困れば賃金を上げてくれる」ということを学習するかもしれません。

僕は20年前、深刻な人手不足に陥り、辞める社員を賃上げで引き止めたことがあります。
その人だけ上げるわけにはいかないので全員のベースアップをしましたが、中には「働いてやっている」なんて態度の社員も出ました。
固定費が上がり風土は荒んだ、何も良いことはありませんでした。

賃金の大原則は…
「自らの行動が自らが望む結果とリンクしたシステム」です。
賃金はベース(基本給)は高額な方が良いです。しかし、それだけでは足りなくて、変動があることが大切だと考えています。

業績が賞与に反映される仕組みです。
これは「結果を出せば、うんとボーナスを出す」とはニュアンスも考え方も違います。
これって社長が主語の言葉ですよね。
自らの行動が自らが望む結果とリンクしたシステムの場合、社員さんが主語になります。
「望みを実現する行動をする」、という社員主体の考え方です。

社員が自らの意思で賃金引き上げをたくらみ、会社も儲かる、そんな仕組みです。
上からのご褒美ではなく、自ら獲得した賃金は、その後のヤル気と自発性に大きな好影響を及ぼします。
仕事がとても愉しくなります。

賃金に関してはこの記事を参考にしてね!

理に適った賃金制度で社員の自発的なヤル気は飛躍的に高まる

同一労働同一賃金の原則が適応されようとしています。正社員の賃上げは非正規雇用の方にも適応されます。

賃金は高い方が良い、でも、それが会社の繁栄に結びつく仕組みがあってのことだと考えています。

それでは今日も素敵な1日を!


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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