個別面談の少なさは自律型チームが育っている証拠である

部下と個別面談をしている会社は多いと思います。定期的にやっている会社もあると思います。
業務上の相談を受けたり、個人的な悩みを聞いたり、逆に上司から何かを伝えたりしていると思います。
ごく自然なあり方で、とても良いことだと思います。

しかし僕は、やっていません。10年ほど前までは月に1回はやっていました。それが徐々に減り、5年ほど前には賞与を渡す時だけになり、やがて、それもなくなりました。

そちらの方がチームとしてのパフォーマンスは向上したのです。
その理由は今だから説明ができます。
個別面談に頼るよりも効果的な方法があると考えているのです。

チーム内の問題はチームで共有することが大切

僕が個別面談をやめた理由はいたってシンプルです。
1対1になり「最近どうよ?」なんて話をしても、社員は「特にないっす」で終わってしまうのです…
問題がないわけではありませんが、あったとしても僕ではなく仲間に相談するからです。
「全体の課題にする」と言い換えても良いと思います。これは経営者意識、全体最適の視点が身に付いた証です。

「チーム内で起きている課題に関係がない人は1人もいない」
チームは1人で解決できない課題に取り組むために結成されます。チームのワークで取り組むから効果が出るのです。

10年ほど前に個別面談をしている時に気付いた事があります。
ある社員から、業務上の相談を受け、2人で考えました。2時間くらい考えたと思います。
面談は密室で行われます。
面談が終わり、オフィスに行くと、他の社員が不安そうな顔をするのです。
そりゃ、そうだよね。仲間が社長と2人っきりで、密室で2時間も話し込んでいるのだから、何か深刻な話をしているに違いないと思うよね。

ある時、別の社員が不安そうに「何かあったんですか?」と聞いてきました。
僕は、「あ、キミには関係ないことだよ」と答えました。しかし不安な表情は消えませんでした。
不安になるのも当然だと思います。

クローズな面談は社員を不安にするという弊害があることに気付いたのです。
そして、同時に思ったことは、「本当にキミには関係のない話なのか?」ということです。
そんなことはないはずです。
チームワークが悪い会社は、仲間のことに無関心です。「自分には関係ない」という態度をとります。
そうであるなら、「キミには関係ない」と社長である僕が言ったのだから愚かですよね。

チームワークの原則は情報共有です。チーム内で起きている事を全部オープンにして、情報共有して初めて成り立つもの。

それから問題、課題は全体で共有するようになったというわけです。

チームの課題にすることで得られる3つの効果

個別面談よりも全体の課題にした時の方が、はるかに良い効果が生まれました。
いくつもあります。

【みんなの知恵で良い解決策が出る】

個別面談で2人で考えて出した解決策よりも、みんなで話し合った時の方がはるかに素晴らしいアイデアが出ました。
まさに「文殊の知恵」だと実感しました。
何よりも課題を抱えている本人がリラックスしていました。仲間が一緒に考えてくれるという安心感だと思います。

【課題の発見から解決までが早くなる】

それまでは問題が発生すると、僕に連絡をします。出張中は電話かメールで連絡が来ます。
出張の合間や終わってから折り返すのですが、電話ではしっかり話ができません。
打ち合わせは早くて翌日ということが多かった。
ところが仲間に相談するようになってからは、「即」です。
出張から帰ってくると、すでに解決策が出て実行しているという嬉しいことが起きるようになりました。

【仲間が一緒に考えることで、全員が育つ】

効果は問題を抱えている社員に限定しません。解決策を一緒に考える仲間にとってもトレーニングになることが分かりました。
人は、黙って聞いている時にはほとんど学習しません。個別面談で僕が一方的に解決策を伝えたら、相手の社員はほとんど成長しません。
双方向の対話をすれば少し学習効果は高まります。
しかし、それよりも、仲間同士で学び合った時に最高の学習効果を得ることができます。
人が最も学習するのは「他人に教えた時」だからです。

さて、このような集団活動が習慣化するとどうなるのか?
まさに指示ゼロ経営になるのです。
指示ゼロ経営は、社長、上司がいちいち指示命令しなくても自分たちで課題を発見し、みんなで知恵を出し合い解決策を考えます。そして、役割を自分たちで自律的に決め行動します。

個別面談で社員が「特にないっす」と言った意味が分かりますよね。
特にないというのは「社長に相談することはない」という意味なのです。

ちょっと寂しい、でも、社長としてこんなにも頼もしいことはないと思います。

それでは今日も素敵な1日を!

 


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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。株式会社Tao and Knowledge代表 株式会社たくらみ屋代表 一般社団法人夢新聞協会理事長。
指示・命令をしなくても自分たちで課題を発見し行動できる組織「指示ゼロ経営」を提唱する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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