対立を自分たちで解消できる、対立から成長できるチームを創る

人は、「自分が望んだこと」であれば自発的に行動しますよね。
意義を感じること、愉しいこと、やらないと大変なことになる…
「人は自分の意志でのみ動く」というのが理だと思います。

だから自律型組織には「望みの統合」が欠かせないと考えています。
簡単に言うと、みんなが共有する目的・目標を持っているということ。
その上で、仕事の先に自分の夢や望みが叶うという予感を持っているということです。

ところが、こうしたすり合わせをすると対立が必ず起きるものです。
その渦中にいると「違うものを目指しているんじゃないか?」と不安になります。
不安だからといって対立を避けると集団は正しい判断ができなくなります。
対立を受け入れちゃんとした作法に則り解決していくことが大切です。

全体が観えていないと対立が起きる

同じものを目指しているのに対立が起きる原因は次の2つだと思います。
1、互いのことを知らない(全体を把握していない)
2、目先の利益を優先している

僕にこのことを教えてくれたのは、たくらみ屋の相棒の森本繁生さんです。
TOC理論という副作用のない特効薬のようなノウハウです。

1は必然的に起きる現象だと思います。
よく、会社全体のことが観えるのは新人か社長だと言います。
当然、社長は観える。
入社したての頃は案外と会社全体のことが観えるものですよね。
ところが自分の役割責任が割り当てられた途端に視野が狭くなります。
人は2つの視点を同時に持つことが出来ませんので、必然的に全体を観ることが難しくなるわけです。

仕事は流れと繋がりで成果を生むので、全体が最適な状態になっているか?が非常に重要なわけです。

よく森本さんはTOCを「流しそうめん」に例えますが、食べるペースに合わせてそうめんを入れないと食べ残しが大量発生しますし、すごく急かされますよね?
そうめんを入れる人が全体が観えていないと「オレがこんなに頑張っているのに、なんで食べ残しが多いんだ(怒)サボっているんだろう!」となっています。

流しそうめんで全体が観えていないなんてことはないと思いますが、仕事ではこれが頻発します。
仕入れ部門は大量に仕入れて単価を下げたい、でも製造はそんなに作ることができない、営業は売上を上げたくて値引きをする…
絶対に儲からないよね?

TOCでは全体把握のために「業務フロー」を社員全員で作ります。

これを全員でつくることで視野が広がり、無用な対立は相当に減るはずです。

目先の利益に意識が向くと対立が起きる

目先の利益を追求することも対立を生む原因になると考えます。
全体のゴールを忘れてしまっている状態です。
これも陥りやすいと思います。

例えば、商品在庫で営業と経理が対立することがよくあります。
営業は「売り逃しを防ぎたいから在庫はたくさんもちたい」と考えます。
経理は「経費がかさむから持つべきではない」と主張して対立が起こります。
互いが直近の課題を持ち、互いが「自分にとって」正当な主張をします。

でも、互いの願いは「会社を良くしたい」ということですよね?
「在庫を持ちたい」…何のために?
「経費をおさえたい」…何のために?

実は、会社を良くしたいという同じゴールを目指しているのに対立しているという勿体ない状態になっているのです。

そこで役立つのがTOCの「クラウド」という思考法です。
詳しい記事がありますので是非、お読みください。

「会社を良くする」というゴールを、例えば「多くのキャッシュを生む」といいうように具体的に描き、手順に沿って思考すると自分たちで正解を出すことができるのです。

ちなみに、こうした対立に拍車をかけるのが個別評価です。
営業部門を売上高で評価する一方で、経理は経費節減で評価したら、この対立は一向に改善されません…

会社を悪くしようと考えている社員はいません。
みんな良くしようとがんばっています。

望みがどこにあるのか?…「望みの統合」をして対立を解消する、さらに言えば対立から協働が生まれるようなチームにしたいですよね。

指示ゼロ経営とTOCは相性が良い、記事を書きながらそんな事を再確認しました。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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