大きな志を持つリーダーほど「1人1人の顔」を観ている

野望と志はすごく似ているものですが決定的な違いがあると僕は思っています。
野望の物語の主人公はいつも自分。
志は「他者の幸せ」を基本軸にして、そこに自分との関係性を位置づけていると思います。

ひとことで言うと「自分だからできることで人に喜ばれる生き方」です。
ここで大切なことは「人」とは誰のことか?ということだと思います。
「具体的に顔が浮かぶ人か?」だと考えています。

今日は、久しぶりに会った本物の男性から気付いた志について考えたいと思います。

実在する人をイメージしながら語るビジョンには生命力がある

その方は大阪府泉大津市の市長、南出 賢一さんです。
現在38歳の若い市長さんです。
先日、大阪市内で会食をする機会をいただきました。
話を聞き、長期的なビジョンとスケールの大きさに驚きました。
見識も深く、何よりも肚が座っていると感じました。
まさに命を賭けて政治家をやっている、人としての魅力がある方でした。
長野から来た僕の話を真剣に聞いてくれ、自分の考えをぶつけてくれるのです。
この若さで市民から選ばれる理由が分かりました。

しかし、真髄は「大きさ」ではない違うところにあると僕は思いました。
それが今日の記事タイトルにある「1人1人の顔を観ている」ということです。

僕は初対面ですし、たくらみ屋の相棒、森本繁生さんに誘われて付いてきた、いわば「オマケ」です。
指定されたお店に着き、僕は真っ先にトイレに行きました。
すると手洗い場に、サラリーマン風の若者がいました。
すれ違う時に「あ、米澤さんですよね?」と声をかけられ、その人が南出市長であることを悟りました。

事前に、今日会う人のことを調べているのです。
「御一行さま」ではない。
僕は市民じゃないから、それをするメリットはないわけです。
損得を超えた、生き方の表れです。

一瞬でファンになるよね。

そして、会食をしながら市長のビジョン、政策を聞きました。
長期的な視点で泉大津市のことを考えていました。
スケールも大きい。

その一方でミクロを見る視点がありました。
それは「市民1人1人」です。
市民の心身の健康があって地域は繁栄すると考えていて、健康や子どもの能力開発の研究をしているのです。
その拘りたるや足のマッサージにまで及んでいます。

健康は足元から、市政も足元から

僕は、南出市長が健康の話をする時に、具体的な誰か、実在する人をイメージしながら語っていることが分かりました。
名前こそ出しませんが、具体的なエピソードを添えて語っていたからです。
「市民」ではなく「◯◯さん」なのです。

人を見てビジョンを描く…これぞ真の大局観だと脱帽しました。

リアルを見るからビジョンが観えてくる

本物の大局観は「今いる人」を見ているから創ることができるのだと思います。
健康を害し苦しんでいる人を知っている。
差別に苦しむ人、待機児童問題で困っている、夢を持ちがんばる人…色んなリアルを知っているから理想の未来が観えてくるのだと。

僕にも心当たりがあります。
スケールが小さい話ですが、僕はセミナーの翌日はブログがスラスラ書けるのです。
その理由は、セミナー後の懇親会で社長の悩みを聞くからです。
数多くあるセミナーの中から僕のを選んでくれた、懇親会にも出てくれた…心から応援したくなります。
でも、僕が現場で采配を振るうことはできない。
できたとしても上手くいかないと思う。
できることは相談を受けたら一緒に考えることと、ブログで発信することだけです。

たったそれだけのことですが、すごく情熱が湧いてきます。
今後のコンテンツや仕組みを開発する意欲も出ます。

そういう時に開発したものの方が多くの人に喜ばれます。
これもリアルを知ったからだと思います。

これは企業経営にも言えると考えています。
企業には理念やビジョンがあり、それは志です。
「自分だからできることで人に喜ばれるカタチ」…それを模索する時には、まずは自分(自社)を知ることが大切だと思います。
どんなことが好きで得意なのか?
どんなことに情熱を傾けられるのか?
自社にはどんな資源があるのか?

その上で、それが役に立つ相手…具体的な1人をイメージすること。
イメージは人を知らないとできません。
だから、現場に足を運び多くのリアルを知ることが大切だと考えるのです。

リアルを知った上で醸成されたビジョンや理念にはエネルギーが篭もると思います。
実現意欲も湧くし、人にも伝わる。
だから、やがて多くの人を巻き込みスケールの大きな「志」に昇華するのだと思います。

今日も人と会います。
リアルに出会えるように気合を入れていきます!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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